知っておきたい眼科の救急
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17図7 閉鎖型眼窩骨折(骨折部に下直筋が狭まれている。)内出血の検査がまず優先され、頭部CT検査が行われます。頭部CTで異常なしと判断された場合にすぐに安心せず、眼球運動時痛があるときにはCT画像を見直して閉鎖型眼窩骨折が隠れていないかの確認が必要です。ただし、骨壁が柔らかいために骨片自体の偏移はあまり目立たず、注意深いCT画像の確認が必要です。成人の場合の眼窩骨折では骨壁自体は完全に折れることがほとんどで、骨折部は開放状態となっており「開放型眼窩骨折」と言われます(図8)。骨折の範囲や眼球付属組織の脱出程度により、その眼球運動障害の程度も様々です。自覚的な症状やCT検査、眼科検査結果などをふまえたうえで総合的に手術治療が必要かどうかを判断します。眼窩骨折は病名に「骨折」という単語が含まれていますが、その

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