知っておきたい予防できる海外での感染症
20/29

172014年になって西アフリカでエボラ出血熱の流行が報道されています。過去にない大規模な流行がギニア、シエラレオネ、リベリアの3カ国を中心に起きています。エボラ出血熱はウイルスによる感染症で、ワクチンや予防薬はありません。ただし感染の原因は、患者の血液・体液・分泌物への接触で、空気感染はありません。従って、患者に接触しなければ感染の心配はありませんが、流行地域から帰国して、下痢や発熱した場合は、医療機関で渡航先を伝えてください。感染症とは違いますが、海外に出る際に忘れてはいけない病気に高山病があります。渡航先によっては思いのほか標高が高い地域があるからです。観光スポットとして有名なペルーのマチュ・ピチュ遺跡は標高2,430m。チチカカ湖は標高3,800m超と富士山の頂上より高い位置にあります。都市部でも、例えばメキシコシティーは標高2,240mと高地に存在します。このように標高の高い所に行くと、高山病にかかることがあります。高山病とは、酸素の薄い高地で起きる低酸素症状の総称です。頭痛薬の効かない頑固な頭痛や食欲低下、倦怠感、吐き気、耳鳴り、めまい、集中力の低下などが起きます。個人差があり、他の人が大丈夫だからと言って、自分も大丈夫という訳ではありません。エボラ出血熱エボラ出血熱エボラ出血熱高  山  病高  山  病高  山  病

元のページ  ../index.html#20

このブックを見る