9図3 デング熱の流行地域 (国立感染症研究所感染症情報センター資料(2011年)より引用)可能性は非常に低い疾患です。本疾患は発熱が持続するものの、自然に軽快し、その間特に治療はありません。ただし血液検査で血小板が低下し、出血傾向の原因になる場合もある点に注意が必要です。時に出血性のデング熱という病態を呈し、出血傾向により死亡する例も報告されています。帰国後に原因不明の発熱がある場合は、医療機関を受診して血液検査を受けてください。その場合は渡航した国や地域を医師に伝えると診断に役立ちます。デング熱には予防するワクチンや飲み薬はありません。対策は「蚊に刺されない」ことが一番です。具体的には長袖の着用など服装の工夫の他、塗り薬があります。虫除けの薬で、DEET(ディート)という成分が有効です。国内外でDEETが含まれた虫よけの塗り薬やスプレー製品は販売されています。これらの製品には濃度
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