知っておきたい予防できる海外での感染症
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7るためです。国産ワクチンを接種できる医療機関は非常に少なく、事前予約していたのに入荷できず接種できないという場合もあります。そこで渡航外来を開設している医療機関では、輸入ワクチンを常備しています。世界中で使用されているワクチンで、安全性に問題はありません。ワクチン接種可能な医療機関は、前述の厚労省検疫所(FORTH)や日本渡航医学会のホームページで御確認ください。…破傷風を起こす細菌は、我が国も含め世界中の土壌に存在します。怪我をした傷から破傷風菌が侵入し、傷の中で徐々に増殖して発病します。最初は肩がこる、口が開きにくい、といった症状から始まり、悪化すると全身の筋肉が痙攣(けいれん)をおこします。集中治療を要することもあり、死亡率が高い病気です。このため破傷風ワクチンは基本的に全ての人に接種をお勧めしています。特に怪我をする可能性の高い旅行や、長期間の滞在の場合は接種して下さい。日本では昭和43年に破傷風ワクチンが定期接種となりました。ただし風疹やおたふく風邪と異なり、終生免疫ではありません。ワクチン接種から約10年すると、破傷風菌に対する免疫が低下し、追加接種が必要になります。昭和43年以降に生まれた人の場合、子供の時に3種混合ワクチンを接種していますので、20歳ごろまでは免疫があります。破傷風ワクチンが必要な人は以下の通りです。破  傷  風破  傷  風破  傷  風

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