36 わが国の薬物乱用・依存の状況は欧米諸国と比較してみると、<第一次予防(薬物の乱用・依存の防止)>に関しては、現在までのところ、比較的首尾よく展開しているのですが、<第二次予防(早期発見・早期治療による重症化防止)>と<第三次予防(治療後の再発防止)>のレベルでの対策は非常に立ち遅れております。 今後は一般市民の薬物乱用・依存に関する無理解・偏見・差別を打破して、薬物乱用者・依存者に対しては、<罪を憎んでヒトを憎まず>の精神で、<社会的排除>から<社会的包摂>への流れを強力に支援・推進していくことが是非必要であると思われます。そのためにも、この冊子が皆様の<薬物乱用・依存に関する問題>の理解を深め、ひいては少しでも薬物乱用者・依存者や家族の置かれている立場と彼らの抱えている困難に対する理解を深め、薬物乱用者・依存者に対する<社会的包摂>が実現することを祈念してやみません。平成25年9月医療法人せのがわ KONUMA記念広島薬物依存研究所所長 小 沼 杏 坪おわりに
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