「人形」「私」「ファミコン」「薬物」(0.5の関係)31図表4.薬物への“とらわれ”の心理学的解釈1.人間関係(2.0の関係)「私」と「あなた」1対1の二者関係「私」と「あなた」,1対1の二者関係相互性(Mutuality),言葉によるコミュニケーション2.1.5の関係(依存的関係):全能感,自己愛の充足(スーパーマン)①一方向性,自己中心性②安定性,恒常性,決して裏切られない効果③人間的な配慮が不要「遊び」と「現実の生活」⇒⇒「○○狂」へと変化が奴隷>というような関係ではなく、相互に依存する関係であって、主に言葉によってコミュニケーションを図っているのです。 ところが、ここに女の子がいて、母親の留守に「○○ちゃん、お腹すいたでしょう、すぐママがご飯を作ってあげるからね」とお人形ごっこをしている女の子と人形の関係を見てみましょう。あるいは、ファミコンゲームに凝っている中学生とファミコンとの関係を見てみましょう。「人形」や「ファミコン」は本来、人格ゼロの品物であるけれども、淋しさを紛らしてくれる<0.5くらいの対象>にはなっていると考えられます。「私」の1と、この対象の0.5を合わせて「1.5の関係」とします。この「1.5の関係」は「2.0の関係」と比較して、以下の特徴をもっております。すなわち、①「私」を中心とした一方向の関係であること、②常に、変わらない効果を与えてくれること、③人間的な配慮が一切不要であること、の3点です。「1.5の関係」に人間的な配慮がいらないのは、母親が帰ってくれば、女の子は今まで熱中していたお人形を放り出して、「お母さん、おみやげ」と母親にすがりつくことや、中学生がファミコンゲームに熱中していても、飽きてしまえばスイッチを切ってしまうことで、理解できるでしょう。 「1.5の関係」は言うなれば、依存的関係であり、「私」はスーパーマンになった気分となり、「全能感」や<自己愛の充足>を感じるため、このような関係には夢中となって、はまり込んでいきます。夏休み期間中、夜間寝ないでファミコンゲームに凝っていた中学生が夏休みが終わっても、朝起きられず、学校をサボってファミコンゲームをやりだすと、これは単なる遊びではなく、「ファミコン狂」となっているのです。「遊び」というのは「遊び」と「現実の生活」との切り返しが可能な場合に言えるのです。 「1.5の関係」において、「0.5の対象」のところに「シンナー等の薬物」を
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