22◎◎薬効時の常同行動は覚せい剤精神病の前駆状態図表23.覚せい剤急性中毒による脳内出血死図表24.覚せい剤依存症の周期的使用で覚せい剤依存症の周期的使用で見られる三相構造覚せい剤依存症の周期的使用で見られる三相構造見られる三相構造見られる三相構造特徴的状態*不眠,食欲減退*不眠,食欲減退*薬効時の常同行動(ドライブ,掃除,*薬効時の常同行動(ドライブ,掃除,ニキビつぶし,パチンコなどのゲーム,電ニキビつぶし,パチンコなどのゲーム,電キビつぶし,パチンコなどのゲム,電キビつぶし,パチンコなどのゲム,電気製品の分解などへの熱中,さらに盗聴気製品の分解などへの熱中,さらに盗聴器・隠しカメラなど疑った事への詮索熱中,器・隠しカメラなど疑った事への詮索熱中,嫉妬妄想に基づく強迫的折檻)嫉妬妄想に基づく強迫的折檻)嫉妬妄想に基く強迫的折檻)嫉妬妄想に基く強迫的折檻)*薬効消退時の猜疑的・易怒的状態*薬効消退時の猜疑的・易怒的状態*脱力・倦怠感,無気力,無為*脱力・倦怠感,無気力,無為*長時間の睡眠*長時間の睡眠*長時間の睡眠*長時間の睡眠*意欲減退状態*意欲減退状態*食欲亢進,薬物探索行動*食欲亢進,薬物探索行動薬物渇望に基づく焦燥的易怒的薬物渇望に基づく焦燥的易怒的*薬物渇望に基づく焦燥的・易怒的*薬物渇望に基づく焦燥的・易怒的状態状態9.覚せい剤が心身に及ぼす影響1)覚せい剤急性中毒による脳内出血死 覚せい剤(メタンフェタミン)には、交感神経系の刺激作用があるため、急性効果として、瞳孔散大、心拍数の増加、末梢血管の収縮、四肢冷感、血圧上昇、立毛感などを来たします。図表23はもともと脳内に動静脈瘤などを有していた者が覚せい剤を使用した結果、血圧が急劇に上昇したため動静脈瘤が破裂して、その結果死亡した事例の脳前頭断面の写真です。2 )覚せい剤依存症の周期的使用でみられる三相構造(図表24) 覚せい剤に依存した状態では、第1相の「連用の時期」、第2相の「つぶれの時期」、第3相の「薬物渇望期」という三相構造が認められるようになります。第1相の「連用の時期」には2、3日間、覚せい剤を連用します。その間、覚せい剤のもつ強力な作用のため、殆ど眠らないし、食べません。最初のうちは目立たないのですが、覚せい剤を打った直後には、「常同行動」といって、つまらないことに熱中することが見られます。鼻歌交じりであてもなく街中をドライブしたり、掃除をしたり、パチンコなどのゲームに熱中したりします。3、4時間して、作用が切れてくると周囲のなんでもない物音などに気を回して疑い深くなるのです。でも、
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