シンナ乱用者(左)シンナー乱用者(左)医療法人せのがわKONUMA記念広島薬物依存研究所医療法人せのがわKONUMA記念広島薬物依存研究所健常人(右)健常人(右)171814図表15.渦巻き図形を描く際に見られる手のけいれん(動作時ミオクロヌス)(動作時ミオクローヌス) 左がこの患者の頭部CT像です。右の健常人のと比べて、前頭部の大脳皮質の萎縮や脳室の拡大が著しいのです(図表16)。 青少年が人格形成の大切な時期に、一度、有機溶剤乱用・依存の悪循環に取り込まれると、現実社会の人間関係の複雑さを回避し、安直に自分の求める効果を与える薬物を唯一の友達のようにして、薬物を摂取することを生き甲斐としていくのです。その結果、意欲面・情動面の障害をもった性格変化が助長されてしまい、なかなか社会での適応能力が鍛えられないのです。また、20歳を過ぎてもなお、有機溶剤の乱用・依存から脱却できないで、精神病院を受診する有機溶剤依存者の中には、幻視・幻聴等を有する「有機溶剤精神病」を発症しているものも少なくありませんでした。ります。左図の私が書いた渦巻きを真似て書いてもらったのです。「動作時ミオクローヌス」といって、じっとしているときには目立たないのですが、何かやろうとすると、途端に手がけいれんして上手く描けません。水を飲むにも、こぼしてしまうのです。図表14.シンナー依存による足と手の麻痺(多発神経炎)16図表16.頭部CTスキャン像(シンナー乱用による脳の萎縮)
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