知っておきたい薬物の乱用・依存に関する基礎知識
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551551120図表12.年代別のアルコール急性中毒による救急搬送人員年代別の急性アルコール中毒による救急搬送人員5,00040004,00030003,00020002,0001,000,20代未満20代胎生期のアルコール曝露による中等度から高度の身体的行動的感情的社会的機能障害の身体的・行動的・感情的・社会的機能障害図表13.胎児性アルコール症候群①出生時および出生後の成長遅滞・発育障害①出生時および出生後の成長遅滞発育障害(低身長・低体重)②中枢神経系の障害(神経学的異常・発達遅滞・知的障害)遅滞・知的障害)③特有の顔面の形成不全(小眼球・短い眼瞼裂・薄い上口唇)(平成22年東京消防庁管内)(平成22年,東京消防庁管内)4,39217021,702918596596(平成22年東京消防庁)(平成22年、東京消防庁)女性女性男性50代60代以上30代40代親が喫煙する場合は、母親と一緒に居る時間が長いので、その分4.9人と有病率が増すのです。2.飲酒による害1)急性アルコール中毒の問題   若年のアルコール依存症の問題もありますが、急性アルコール中毒で救急搬送された人を年代別に見てみると、男女とも20歳代の人数が多いことが分かります(図表12)。理由として、グループで盛り上がって飲酒する機会が多いこと、また経験の浅さから自分の適量が分からず、無謀な飲酒をしてしまうことなどが考えられます。特にアルコールを分解できない体質の人では、比較的多くない摂取量でも死亡することがあります。一緒に飲んでいる周りの人も、節度ある飲酒について注意を払うことが重要です。   平均的な日本人では、1合の日本酒(純アルコール20g)を完全に分解するのに4、5時間かかるので、宴会を夜間12時過ぎても切り上げないでいると、朝出勤時の運転は飲酒運転・人身事故につながりやすいことに注意が必要です。2)胎児性アルコール症候群   妊娠している女性は赤ちゃんへの影響を考えて、眠れないときでも、睡眠薬を服用することは控えるのが普通です。しかし、飲酒習慣を有する女性が妊娠中に眠れないと、飲酒に頼ることがあります。特に受精卵が子宮(FAS;FetalAlcoholSyndrome)(FAS; Fetal Alcohol Syndrome)1,012

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