卵67図1. アナフィラキシーの原因食物アレルギー小麦製品牛乳ソバピーナッツスズメバチアシナガバチミツバチハチ毒アレルギーペニシリン等の抗生物質、アスピリン等の消炎鎮痛剤、造影剤等薬物アレルギー収されるためとされています2)。 アナフィラキシーを引き起こす可能性のある虫さされとしてはハチが最も代表的であり、中でもスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチが重要です。ハチ毒に対するアレルギー反応がない場合は、局所症状は数日で改善します。しかしながら、ハチに一度刺されてハチ毒に対する抗体ができている場合は、再度ハチに刺された後5〜10分以内にアナフィラキシーを起こすことがあります。また、ハチ毒の成分は種類によって異なりますが、スズメバチ類とアシナガバチ類の毒成分は類似しているため、アシナガバチに刺された経験がある人は、初めてスズメバチに刺された場合でもアナフィラキシーを生じる可能性があります3)。 薬によるアナフィラキシーの多くは、ペニシリンなどの抗生物質、アスピリンなどの解熱鎮痛剤、医療機関で検査に用いられる造影剤などによるものです。また、薬を作るときに使う安定化剤などの添加物によってもアレルギーを起こすことがあります。この他、卵アレルギーのある人が塩化リゾチームを含んだかぜ薬を服用すると、アレルギー症状があらわれることがあります。これは交叉反応と呼ばれ、卵アレルギーのある人が塩化リゾチームに対してもアレルギー反応を起こすというものです。 ゴム製品でアナフィラキシーを起こす場合があります。ゴム手袋や風船などには天然ゴムが使われています。天然ゴムの原材料に含まれるラテックスというたんぱく質がアナフィラキシーの原因となります。また、もともと花粉症を持つ人が果物に対してもアレルギー反応性を示し(交叉反応)、口腔粘膜を中心とした浮腫、違和感を始めとする症状を生じることがあります。これを口腔アレルギー症候群と呼びますが、このような場合には果物のほかにラテックスにも交叉反応を示すことがあり注意が必要です。(2)虫さされ(3)薬(4)その他
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