知っておきたいアナフィラキシーの正しい知識
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15b. 血圧低下とその随伴症状b. 呼吸症状c. 血圧低下とその随伴症状d. 持続する消化器症状b. 成人収縮期血圧低下は,1ヶ月〜1歳は70mmHg未満,1歳〜10歳は70+(2×年齢)mmHg未満,11歳以上は90mmHg未満とする循環虚脱,失神,失禁蕁麻疹,掻痒症,紅潮,口唇・舌・口蓋垂の腫脹呼吸困難,喘鳴,気管支攣縮,いびき様の呼吸音,最大呼気流量低下,低酸素血症循環虚脱,失神,失禁腹痛,嘔吐年齢相当の基準値未満,または30%以上の収縮期血圧低下収縮期血圧90mmHg未満,あるいは30%以上の収縮期血圧低下14文献5)より引用表1. アナフィラキシーの診断基準1.2.3.表2. アナフィラキシーの症状皮膚の症状じんま疹、紅潮(皮膚に赤みを帯びる)、掻痒感(かゆみ)、顔面や口唇の腫れ呼吸の症状嗄声(しゃがれ声)、発声困難(うまく声が出せない)、喉の異物感(喉に何かつまっているような感じ)、咳、喘鳴(ヒューヒュー、ゼーゼー)、呼吸困難(息苦しさ)、チアノーゼ(唇や皮膚が青紫色になる)血圧低下など心臓の症状動悸、めまい、気の遠くなる感じ、倦怠感(体のだるさ)、失神(意識を失う)、失禁(尿や便を漏らす)胃腸の症状嘔気、嘔吐、腹痛、下痢下記3基準のいずれか1つでも満たした場合強く疑われる急性発症(数分〜数時間)で,皮膚,粘膜のいずれかまたは両方に所見(蕁麻疹,掻痒症,紅潮,口唇・舌・口蓋垂の腫脹)を認め,以下の少なくとも1項目を満たす呼吸困難,喘鳴,気管支攣縮,いびき様の呼吸音,a. 呼吸症状最大呼気流量低下,低酸素血症アレルゲンと想定されるものに曝露後,急性発症(数分〜数時間)し,下記2つ以上の症状を満たすa. 皮膚・粘膜所見既知のアレルゲンに曝露後に(数分〜数時間で)血圧低下を来すa. 乳児,小児119番通報と現場での注意点 アナフィラキシーを疑った場合には速やかに医療機関を受診する必要があります。また、以前に重篤なアナフィラキシーを起こした既往がある場合には、軽微な症状でもアナフィラキシーの前兆の可能性がありますので、医療機関の受診が勧められます。特に、じんま疹などの皮膚症状に加えて呼吸困難やめまい、倦怠感、腹痛、嘔吐などの症状が出現した場合や、アレルゲンへの曝露が分かっている場合には、アナフィラキシーの可能性が高まりますので、119番通報してください。 また、現場での対応としては、症状を悪化させないためにアレルゲンと考えられる原因の除去が必要となります。食物アレルギーのある食品を食べた場合には、口から出し、しっかり口をすすぎます。皮膚についた場合には流水でよく洗い流し、眼に入った場合にもよく洗眼します。ハチに刺された場合には、速やかにその場から離れることが大事です。1匹のハチに刺されると毒液が空中にまき散らされるため、多数のハチの攻撃を受けることがあると言われています4)。また、針を残していくハチがいますが(ミツバチが多いと言われています)、針には毒液が残っているため速やかに除去します。時間経過が毒液の注入に影響しますので、医療機関での除去にこだわらず早く抜いてください。めまいや気の遠くなる感じなど血圧低6

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