知っておきたい“腹痛(おなかが痛い)”のポイント
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1213卵管卵管采(さい)卵巣子宮底部子宮体部子宮頸部子宮内膜膣骨盤子宮の断面図 消化器疾患に限りませんが、腹痛で病院を受診する場合、以下の点は診断や治療を行う上でたいへん重要です。分かる範囲で診察医にお伝えください。1. 腹部手術の既往;これまでお腹の手術を受けたことがあるか。2. 持病;定期的に治療を受けている疾患や健康診断で異常を言われ  たことがあるか。3. 常用薬;サプリメントも含めて、常用している薬があるか。4. 腹痛の誘因;飲酒、食事、薬など腹痛が出現したきっかけがあるか。5. 食事内容;腹痛が出現した数日前までに生ものなどの摂取があるか。6. 集団発生;家族や同僚などに同様の症状の者はいないか。 上述のように、腹痛をきたす消化器疾患は多岐にわたります。夜間救急外来などでは十分な検査が実施できず、確定診断に至らないケースもあります。医師の判断で投薬等の処置の後、帰宅して経過観察することになった場合でも、腹痛が増悪し、随伴症状が出現する兆候があれば受診した病院に早めに連絡して下さい。 女性の腹痛では、診察医は産婦人科領域の病気がないか常に意識しています。産婦人科領域の腹痛とは子宮、卵管、卵巣など(図3)に由来する腹痛で、妊娠関連(子宮外妊娠など)、感染症関図3連(骨盤内感染症など)、腫瘍関連(卵巣腫瘍破裂など)など原因は様々です。問診では妊娠・性生活や月経関連など話しにくい問診をされることもあると思いますが、先にあげた様々な病態に迅速かつ正確にたどりつくために必要な問診ですので、正しい情報を診察医に伝えることが大切です。①妊娠の有無に関する問診 妊娠の可能性について診察医から質問された際、「コンドームをつけているから」「ピルを飲んでいるから」などの理由から、「妊娠の可能性はありません」と断言される女性患者さんも少なからずいらっしゃいます。しかし、例え避妊していても妊娠する可能性は十分あるので、性交渉をしていれば「妊娠の可能性があります」と答えましょう。問診をもとに妊娠反応検査を行ない、陽性であれば正常妊娠、子宮外妊娠、流産、切迫流産などが考えられます。病院を受診する際の注意点受診後帰宅してからの注意点産婦人科関連の腹痛に特有の問診Ⅱ. 産婦人科疾患と腹痛

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