181914. 子宮頚(けい)癌、子宮体(たい)癌 子宮は、膣に近い頸部と、その奥の体部の2つに大別されます。子宮癌にも、子宮頸癌と子宮体癌とがあります。どちらも膣や骨盤へ広がっていき、リンパ節から全身に転移したり、近くの臓器へ広がっていきます。初期にはどちらも症状はありませんが、次第に不正出血(月経中じゃないのに出血する)、性交時痛、オリモノに血が混ざるなどの症状が出現します。これらの症状があれば産婦人科を受診しましょう。無症状でも定期的に子宮癌検診をうけることも大切です。<急性心筋梗塞> 急性心筋梗塞は、典型的には前胸部や左胸部に強い絞扼感(締め付けられる)や圧迫感が30分以上持続し、肩、腕、背部などの痛みを訴えます。しかし、虚血性心疾患のリスク・ファクター(高血圧症、糖尿病、高脂血症、喫煙)のある中高齢者では、上腹部の痛みでも虚血性心疾患(心筋梗塞)の可能性を考えなければなりません。心筋梗塞がおこって数時間は、症状と心電図の異常しか認めないことがあります。<腹部大動脈瘤破裂> 腹腔内にある腹部大動脈が5cm以上と大きくなり、動脈瘤が破裂したり、破裂しかけたりした時に、がまんできないような腹痛、側腹部痛、腰痛が突然おこります。動脈瘤は破裂するまで無症状です。腹部に拍動している大きな動脈瘤を触れることがあります。<大動脈解離> 突然の引き裂かれるような激烈な胸痛で発症し、背部に放散することも多いです。痛みが移動して腹痛・腰痛を訴えることがあります。大動脈解離の危険因子としては、高齢、男性、高血圧、動脈硬化、大動脈二尖弁、結合織疾患などがあります。<肺炎・胸膜炎> 腹部側に近い肺の肺炎や胸膜炎では、上腹部痛や心窩部痛を訴えることがあります。痛みは深呼吸で増悪し、咳、痰、息切れ、発熱などを伴います。胸部のレントゲン検査で肺炎像や胸水を認めます。1心・血管・呼吸器系疾患Ⅲ. その他の疾患と腹痛
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