家庭で知っておきたい耳鼻咽喉科の救急
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2627(衫)  姿勢としては基本的に座位(座った状態)でやや前にうつむいた姿    このような状態で圧迫により鼻内の傷がしっかり押さえつけられれば、    上述した方法で15分以上たっても止血できない場合は家庭での止 よく行われている間違った止血方法としては以下のようなものがあります。  ×①眼と眼の間の高い部 →固い鼻骨があるため鼻 ×②首の後ろをとんとん →出血部位への直接的な効果、影響がない。 勢とします。気分不良で座位が保てない場合は頭部をやや挙上した側臥位(どちらか横向けに寝る)とし、咽頭へ流れ込んだ血液を口腔から出しやすくします。(図20) 通常は10〜15分の圧迫でいったんは止血されることが多いようです。 血操作は困難ですので、救急受診での耳鼻科専門医の診療と止血が必要となります。 位(鼻根部)をつまむ。(図21) 内に圧迫が伝わらず、傷を押さえつけられない。 たたく。首の後ろを冷やす。 (図21)  ×③鼻をかむ。  →傷を固めた凝血塊がはずれてしまいなかなか止血されません。もし、この方法で偶然止血した経験がおありになる方は、鼻をかむときに鼻を押さえることで、出血部位を圧迫することができたのかもしれません。  ×④鼻を押さえずに、できってしまうまで洗面台などに出血をたらす。  →小さな傷の場合は固まってくる血液で止血されることもありますが、大きな傷ではなかなか止血しないと考えます。  ×⑤仰臥位になり、血液はずっと飲み込む。  →固まって血管をふさぐべき血液が咽頭へ流れてしまうため、なかなか止血しません。また、咽頭へ流れた血液の固まりでのどが詰まって窒息の危険もあります。血液を嚥下していると、後で気分が悪くなり嘔吐しやすくなります。嘔吐すると血圧が上がって、更に止血が難しくなります。 間違った止血の部位と姿勢(座位)鼻根部を圧迫上を向かせる間違った止血法

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