家庭で知っておきたい耳鼻咽喉科の救急
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24多く集まっているところ=キーゼルバッハ部位と呼ばれています。)の粘膜損傷から出血していることが多いようです。(図17)ほとんどが直接的に鼻の粘膜をこすったり(鼻をかむときにこすったり、指でほじったり)することで損傷すると考えられますが、小さな傷ではこすってすぐに出血するのではなく、しばらくして次に鼻をかんだときなどに出血し始めたりするため、原因がはっきりしないこともあります。(図18)  一般的には以下に示す止血の方法をきちんと行うと止血できることがほとんどです。 蘯 鼻出血 鼻出血ではその8から9割が鼻前部(特に鼻中隔の前端の小さな血管が(図17) (図18) (図19) (衢)  まず出血部位の圧迫を行うため、鼻翼(ふくらんだ小鼻の部位)をできるだけ広く親指と人差し指でつまむように圧迫します。(図19)このとき鼻内にティッシュや綿球などは必ずしも入れる必要はありません。(後で除けるときに再出血をしやすいため) (図20) 鼻出血のよくおこる場所と圧迫する場所幼児の右鼻出血鼻翼の圧迫による止血方法(座位)    しっかり前鼻孔(鼻の前の穴)がふさがれると、状態によっては後鼻孔(鼻の後ろで咽頭へ開いている穴)から咽頭へ血液がたれ込んでくることがあります。咽頭へ流れ込んだ血液を飲み込んでいると、胃内にたまった血液が胃酸で黒く固まり、腹部を刺激して気分が悪くなって嘔吐してしまうことがあります。嘔吐により血圧が上昇したり、吐物が後鼻孔から鼻内に逆流すると、更に止血困難となりますので、咽頭へ流入した血液は飲み込まずに口腔から喀出することが大事です。 鼻翼の圧迫による止血方法(側臥位)鼻翼部鼻入口部内側の鼻中隔前方(キーゼルバッハ部位)圧迫の部位(鼻翼を広く押さえる)  鼻翼を広く圧迫  飲み込まないようにうつ伏せに近い側臥位25  鼻翼を広く圧迫正しい止血法

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