45 発作を起こしたら ― すぐに救急車を呼ぶ 周囲の人が脳卒中と疑われるような発作症状を起こした場合は、あわて 救急車が来るまでに ― 適切な場所に寝かせる。症状をメモしておく。 交通量の多いところや直射日光の当たる場所で発作を起こした場合は、救急 脳卒中が起きた場合、どうすればよいでしょうか。 まず、頭を高くしないで、適当な場所に静かに移します。移動の際、頭ががくがく動かないように、首に手を当てながら移してください。昔は、「脳卒中が起きた場所にそのまま寝かせておきなさい、動かしてはいけない」というように安静が重要視されていましたが、現在まず安全を確保して後できるだけ早く救急車による搬送と急性期治療が必要です。 大切なのは、頭があまり動かないようにして、頭を水平にした状態で寝させてあげることです。頭を上げると脳への血の巡りが悪くなり、さらに意識がかすれ麻痺やしびれが悪くなるからです。ただし、その時の状態によって横向けにすることも必要です。例えば嘔吐が強い場合は横に向けないと危険ですし、麻痺がはっきりしていたら麻痺側を上にして横向けにしなければなりません。 次に、掛かりつけの先生に病状を正確に伝えることが大事です。掛かりつけの先生に電話をかけ、慌てないで必要なこと「いつからどこでどうなったのか」を伝え、医師の指示に基づいて救急車で患者さんを運ぶことです。できるかぎり専門医のいる病院に運ぶのが良いでしょう。大事なのは、どんなに軽い脳卒中でも発症直後は入院が原則ということです。 脳卒中であるかどうかを見分けることが必要となりますが、症状を見て大まかに判断して下さい。特に、意識が無い、体の片側の麻痺がある、言葉が出にくい、呂律がまわらない等の症状があれば脳卒中だと思われます。医師に伝えるべきことは、①いつ、②どこで、③何をしている時に起こったか、これである程度の病型の判断ができる場合もあります。それから、頭痛があるかどうか、めまいがあるか、しびれがあるかなどを、言葉が出る場合はご本人に聞いてください。さらに、けいれんが起こっていないか、以上の内容を電話で伝えたいものです。 これらの情報から医師が判断して、「すぐ来て下さい」、「今から往診に行くから待って下さい」、「救急車をすぐ呼んでください」などの指示が出ることになります。以上まとめますと、脳卒中が起きたときの対応のポイントは、①頭を高くしないで適当な場所に静かに移す。②かかりつけの先生に病状を正確に伝える。③医師の指示に基づいて救急車で患者さんを運ぶ。④どんなに軽い脳卒中でも入院が原則、となります。 ずおちついて行動することが大切です。すぐに救急車を呼んで専門医のいる病院へ搬送してもらうことが大切です。「救急」であることを伝え、現在地や患者さんの性別、年齢、意識の状態や症状などを説明します。いずれにしても「しばらく様子を見よう」というのは禁物です。一刻も早く専門の医療機関を受診するようにしてください。 車が到着するまでの間に安全で日陰の多い場所に移します。患者さんに意識があっても、自分で立たせると、症状が悪化する危険性があるため、避けてください。そして衣服やベルトを緩めます。吐き気がある場合は、あお向けではなく、横向きに寝かせると、吐いた物で気道がふさがれる心配もありません。また症状をメモしておくと、受診先の医師などに、要領よく説明できるでしょう。 発作時の対処法 脳卒中が起こったらどうしたらいいの?
元のページ ../index.html#6