QAQAQAQAQAQA18 頚動脈に強い動脈硬化がある場合、一過性黒内障といって、急に片方の視力が落ちて、数秒から数分で回復する症状があります。これは、頚動脈にできた血栓の一部がはがれて、眼動脈に流れ込んで起こるものです。一過性黒内障は、症状が数分以内に回復するため、ただちに医療機関で受診するということは少ないようですが、特に注意が必要な一過性脳虚血発作の1つです。 たとえ夜中であろうと、休日であろうと、すぐに救急車を呼んで、専門医のいる病院へ搬送してもらうことが大切です。一過性脳虚血発作を経験した方、家族に脳卒中経験者がいる方、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、心房細動、喫煙習慣、多量飲酒習慣のある方は、いざという時にどこの病院に行ったらよいのか、日頃からかかりつけ医に相談しておくことが重要です。 脳卒中急性期は入院治療が原則です。脳卒中に精通している医師・看護師・リハビリテーションスタッフの居る病院で治療を受けると、死亡率が下がり、回復が良いことが分かっています。最近では発症後ごく早期(3時間以内)であれば劇的に効果がある治療法もあります。とにかく、できるだけ早く救急車を呼んでください。備えあれば、憂いなし。日頃から、いざという場合のことを考えておきましょう。 脳梗塞が起こると、数分後には脳細胞が壊死し始めます。そして、時間がたてばたつほどダメージが広がり、後遺症も大きくなります。したがって、後遺症を少しでも軽くするためには、一刻も早く医療機関で診断を受け、治療を始めることが必要なのです。 安静と点滴治療、抗血栓治療が基本です。発症3時間以内の脳梗塞に対して、血栓溶解薬tPAが適応になれば、麻痺症状が改善しやすくなります。 脳出血に対しても、安静、血圧が非常に高い場合血圧低下治療をできるだけ早くおこないます。 脳梗塞の発症直後は薬物治療が基本で、「血栓溶解療法」、「抗血小板療法」、「抗凝固療法」、「脳保護療法」などが行われます。 「血栓溶解療法」は、血管に詰まった血栓を、t-PA(組織プラスミノーゲンアクチベーター)という薬で溶かし、血流を再開させる方法です。また、「抗血小板療法」は血小板の働きを抑えて、血液が固まるのを防ぐ治療法です。 血管に詰まった血栓を溶かし、血流を回復させる薬です。発症3時間以内に投与すれば、大きな効果が期待できます。出血という副作用もあるので、専門医による専門設備の整った病院で投与されます。 血小板の働きを抑え、動脈内で血栓ができるのを防ぐ薬です。再発予防のため、アスピリン等などが広く用いられています。 血液を固まりにくくすることで、心臓や静脈内で血栓ができないようにし、脳梗塞の再発・ぶり返しを防ぐ薬です。 脳梗塞が起こったときに発生する有害物質(フリーラジカル)を取り除き、脳細胞を壊死から守る薬です。後遺症や脳のむくみを軽減する効果が確かめられています。 血栓溶解薬(t-PA)脳梗塞急性期の治療法 19抗血小板薬 抗凝固薬 脳保護薬 脳卒中 andQQQAAA脳卒中になったらどうすればよいのでしょうか。 脳卒中ではなぜ早期治療が大切なのですか? 脳梗塞急性期にはどのような治療を行うのですか? 脳梗塞が疑われるのは、 どのような症状が起こった場合ですか? 片方の手足がしびれる、足がもつれる、手足に力が入らない、ろれつがまわらない、言葉がとっさに出てこない、他人の言うことが分からない、ものが見えにくい、といった症状が1つでもあれば脳梗塞が疑われます。こんな症状に気づいた時は、様子を見ようなどとは考えず、ただちに病院に駆けつけることが大切です。 脳卒中の前触れはあるのですか。 前触れがあったらどうすればよいのですか。 脳梗塞の前触れとして、一過性脳虚血発作が知られています。一過性脳虚血発作は、突然脳卒中の症状がおこり、普通5-15分間以内に、長くても24時間以内に治ってしまう発作です。片方の手と足に力がはいらなくなる、体の半分(顔を含む)がしびれる、ろれつがまわらなくなる、言葉がでなくなる、相手の言うことをよく理解できない、片側にあるものに気がつかないためにぶつかってしまう、片方の目にカーテンがかかったように見えなくなる、物が二重に見える、一側の視野が欠ける、めまいがする、ふらつく、力はあるのに立てない、歩けない、などが脳梗塞や脳出血の症状です。なお、クモ膜下出血の症状は、今までに経験したことのないような激しい頭痛が突然生じ、意識がなくなりますが、通常、手足の麻痺は起こりません。 一過性脳虚血発作は、症状が短時間で消えてしまうために軽く考えられがちですが、放置すると約2割の方は数年以内に脳梗塞になります。治療によって脳梗塞になるのを予防することが可能ですので、必ず専門医を受診してください。 また、症状が現れた時点では一過性脳虚血発作と本物の脳梗塞とは区別できませんので、すぐに救急車を呼んで専門医を受診してください。 目に症状が出ることもあると聞いたのですが?
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