家庭で知っておきたい脳卒中の救急
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(※脳梗塞の場合) 1213 脳梗塞の診断では、頭部のCTやMRIの撮影、胸部のX線撮影、血液検査などの臨床検査、心電図、内科的や神経学的な診察を急いで行います。  脳が正常に働くためには十分な血液の流れが必要ですので、脳梗塞に対してはできるだけ早く治療を開始して血液の流れを良くすることが重要です。ですから病院では、1分でも早く、検査と治療を始めることを心がけています。  第1段階は、脳卒中以外の疾患を鑑別するとともに、脳卒中であれば3つの基本病型(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)のどれに該当するかを診断する段階です。まずポイントをしぼった病歴の聴取と診察を行い、脳卒中の疑いが濃厚であれば、直ちに頭部CTの撮影と一般臨床検査などを順次速やかに実施します。  第2段階は、脳梗塞の場合、心原性脳塞栓症、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞、その他梗塞のいずれであるかの臨床病型診断を行います。  この段階では、第1段階の検査のほかに、頭部MRI検査、脳血管の検査(血管超音波検査、MRアンギオグラフィー、CTアンギオグラフィー、脳血管造影)、心臓の検査(心臓超音波検査、ホルター心電図)、血液凝固・血小板機能検査などの精密検査を必要に応じて行います。  脳卒中の最終的な治療方針はこの段階の診断に基づいて決定されますので、第2段階も可能な限り迅速に進める必要があります。  脳卒中の基本病型(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血) を診断します。 第1段階 第2段階 脳梗塞が、どの臨床病型(心原性脳塞栓症、アテローム 血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞、その他)に属しているか 診断をします。 脳梗塞の診断と治療は一刻も早く 脳卒中急性期の初期診断と診断に必要な検査 脳卒中の治療

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