家庭でできる感染対策-食中毒Q&A-
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23 「感染症」って、なにがこわいかって、その人が高い熱を出して苦しんで死んでしまうかもしれないこともさることながら、それが自分にもうつってしまって自分もなるんじゃないかというこわさがありますよね。微生物って、人間の目に見えないから「微」生物なわけですし、目に見えないから余計に「おそれ」は倍増される感じがします。そして、世の中にはゴマンという種類の細菌やウイルスがいます。そんな微生物一つ一つに対してなにか異なった対応をしなければと考えると、それはとても大変に思えますね。  ですが、実は微生物が人へ感染する経路としては、だいたい次の5つと考えられます。 1122334455 つまり、この5つのことについて、おもな対策を知って実行できれば、ほとんどのことには対応可能なのです。 接触(主に人の手を介した直接の接触) 飛沫(咳やくしゃみに含まれる「しぶき」が相手の喉にとびこむ) 空気(空気中に浮かんでいる微生物を吸い込む) 一般媒介物(汚染された食物・水、汚染された器具など) 昆虫・小動物(ゴキブリやネズミなど)  汚いものを触ったあと、「つい」その手を口にもっていってしまう…。やりそうですよね。ですが、こんなことをやっていれば当然、人に害をなすような微生物も大量に体の中に入ってしまい「感染症」を起こしてしまいます。やはり、「手を洗う」という行為は、感染予防対策の中でもっとも重要なことと言えましょう。しかし、口で言うのは簡単なのですが、なかなか「完璧」に行うことが難しいのも「手洗い」です。ひとつはタイミング(いつ手を洗うのか)の問題もありますし、本当にきれいに洗えているのかという問題もあります。  タイミングの問題は特に難しいと思います。あまりに頻回に洗うのも、それはそれで「潔癖症」というか、過剰な反応という気がします。ただ、せめて「目に見えて手に汚れがあるとき、自分が汚いものを触ったと自覚があるとき」これはぜひ手を洗っていただきたいタイミングだと思います。  次に、「本当に手をきれいに洗えているか」の問題です。日本という国はとても衛生観念に優れていて、小さいときから「手洗い」の習慣をつけさせているということで、世界からもうらやましがられている国であります。ですが、習慣であるからこその落とし穴もあるように思います。流水に手をかざしていれば「手洗い」になっているかも…と。 微生物の感染経路 接触感染経路予防策 手  洗  い

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