家庭でできる感染対策-食中毒Q&A-
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Q3Q1A2発 生 件 数 2021 下痢、吐き気、嘔吐、腹痛、発熱などを突然おこす食中毒は大変不快な病気ですが、気をつければ大事には至りません。食中毒は飲食店などにおいて集団でおきることが多いと思われるかも知れませんが、家庭の食事でもしばしば発生します。家庭で発生した食中毒は、症状が軽かったり、発症する人が少ないことから風邪や寝冷えと思われがちで、時には食中毒と気づかないために、さらに拡がったり、重症化することもあります。  食中毒を防ぐためには、食中毒を理解し、みんなで対処することが大切です。 図(1)  食中毒の原因には、毒キノコ、フグなどの自然毒やヒ素、ダイオキシンなどの化学物質がありますが、最も多いのは微生物で、なかでも細菌とウイルスは良く知られています。  食中毒は微生物によるものが非常に多く、約6割は細菌、 3割はウイルスが原因となります。多発する季節は、湿度や気温が高く細菌が増えやすくなる6ー8月で、この時期に毎年食中毒警報が出されます。ウイルスによるものは冬に多く、最近では冬のノロウイルスによる集団発生が大きな話題になっています。このウイルス性食中毒は、細菌よりは重症化することが少ないのですが、弱った人や高齢者、乳幼児で稀に死亡することがあります。  微生物で特に注意しなければならないのは、食中毒を起こした人の便や手指から二次感染として他の人に食中毒が拡がることです。  細菌性食中毒は、原因として細菌が増えるとき出す毒素によるものか、増えた細菌によるかによって分けられ、汚染食品を食べた後の発症までの時間(潜伏期)が異なります。 ①毒素型食中毒:食品を食べて数時間以内に症状が起きます。毒素は        【ブドウ球菌、ボツリヌス菌など】 ②感染型食中毒:体内で細菌が増殖して食中毒を起こすために、食品        【サルモネラ菌、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌、カン主な病原体別にみた件数の年次推移(平成8年〜17年) 熱に強いものが多く、加熱しても壊れません。 を食べて発症までにかなりの時間がかかります。 ピロバクターなど】 900 800 700 600 500 400 300 200 100 平成8年 9年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 0年次 (厚生労働省食中毒監視統計より作成) 黄色ブドウ球糖 カンピロバクター サルモネラ属菌 腸炎ビブリオ 腸管出血性大腸菌O157:H7 セレウス ボツリヌス菌 小型球形ウイルス(SRSV) ウエルシュ菌 食中毒 食中毒の原因にはどのようなものがありますか。 微生物による食中毒はどのような特徴がありますか。 細菌性食中毒はどのように分類されていますか。 どのような微生物による食中毒が多いのですか。  厚生労働省の統計では、図(1)のように、近年では比較的症状の軽いカンピロバクターは依然として多く、激しい症状を起こすサルモネラ菌や腸炎ビブリオなどによる食中毒は減っています。ウイルスでは小形球形ウイルス(ノロウイルス)やロタウイルスによる食中毒が増加しています。 A1Q2A3Q4A4AQ&

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