註2:「狭域」の消毒薬には、塩化ベンゼトニウム(ハイアミン など)、塩化ベンザルコニウム(オスバン など)、グルコン酸クロルヘキシジン(ヒビテン 、マスキン など)、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン(テゴー など)がありますが、これらは一般的にはウイルスには効力がありません。 ● 消毒用エタノール ● 次亜塩素酸ナトリウム(ミルトン 、ピューラックス など) RR RRRRR1415註1:「広域」の消毒薬は、グルタラールアルデヒドなどがあります。これらは内視鏡などの医療用の機械の消毒に用いられます。一般に、広域なだけに取扱いに注意をしないと人体にも影響がある可能性もあり、家庭では利用できません。 また、蒸し器を用いてもよいです。この場合は蒸気を十分に満たして、10分以上蒸して下さい。 今の時代、電子レンジも有望です。電子レンジで消毒できるような市販品も売られていると思います。取扱説明書に従ってお使いいただければよいと思います。しかし、一般に電子レンジでは加熱むらが生じることもありますので、それ以外のものでは安心してお勧めとは言いきれません。 さて、消毒薬です。消毒薬は、一般にたんぱくの変性作用や凝固作用といった化学反応を利用して微生物の数や毒性を減らすものです。ですから、ただ使えばいいというわけではなく、最低、①濃度、②時間、③温度の3つの要素を適正に保たないと十分で安全な消毒はできないことを知っておいてください。 ①濃度:用途別に指定された適正な濃度で使用しましょう。濃度が薄いと効果も期待できませんし、濃度が濃いと副作用の原因になったり、取り扱う人の健康にもよくないことがあります。 ②時間:消毒薬が消毒効果を発揮するためには、消毒薬と微生物を一定時間以上接触させる必要があります。一瞬つけただけで魔法のように効果を発揮するものではないことを肝に銘じましょう。 ③温度:消毒薬は通常20℃以上で使用しましょう。温度が低いと十分な消毒効果が得られないことがあります。 一般家庭向けに販売されている消毒薬もいろいろなものがありますから、どれを選んだらいいのか、どれをどう使えばいいのか、難しいですよね。しかし、私たちから見ると、一般的にご家庭で使っていただいて、有効な消毒薬は次の二つと考えられます。 いずれの消毒薬もいろいろな種類の細菌やウイルスに有効で、医学的な面から言いますと「中域」の消毒薬に分類されます。 どちらの消毒薬を選ぶのか、それは、時と場合によりますから、それぞれの消毒薬の特徴を知って、使用法をよく考えてから選びましょう。 消毒用エタノールは、インフルエンザウイルス・エイズウイルス・C型肝炎ウイルスなどに効果があります。これはエンベロープというウイルスを包む脂質の膜を壊すからです。しかしノロウイルスやB型肝炎ウイルスなどには効きません。ノロウイルスはエンベロープをもたないし、B型肝炎ウイルスは抵抗性の強い特別なエンベロープをもっているからです。このようなウイルスの消毒には次亜塩素酸ナトリウムを使います。次亜塩素酸ナトリウムは殆ど全てのウイルスに対して効果のある強力な消毒薬です。 消 毒 薬 消毒薬の選び方
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