QAQAQAQAQAQAQAQAQA社会復帰率 1415一般人がAEDを使用してもよいのでしょうか? 通常の医療用の電気ショックの機械(除細動器)は、医師しか使用できません。しかし、AEDは、一般市民の方に使用いただいて良いとの法整備がなされました。通常の常識的な使用をいただいている限り、法的責任は問われる事はありません。 AEDは、救急車にも搭載されていると聞きましたが、救急隊の到着を待つのでは、遅いのでしょうか? いかなる原因であっても、心肺停止後、時間が経過すればするほど、救命率が低下します。一般的に(右図)のように、約1分経過する毎に7−10%ずつ社会復帰率が低下します。1秒でも早い、心肺蘇生の開始が望まれます。しかし、広島県内では救急隊(救急車)によるAEDの使用まで、平均約13分かかっています。救急車到着まで全国平均約6分で、これでは高い救命率は望めません。一方、愛知万博では、会場に約100台のAEDが設置され、期間中に生じた5件の心室細動に対しAEDが使用され、4件で救命し社会復帰し得たという輝かしい結果となりました。救急隊の到着前に、積極的に心肺蘇生を行い、出来るだけ早くAEDを装着し、必要な場合には電気ショックを行う事が最も重要です。 海外や日本での現状は? 海外の空港では、200〜300メートルごとにAEDが設置されています。米国カジノの警備員による救命処置では、目撃者があり3分以内にAEDが実施できたケースの74%が生存退院とのデータがあります。本邦では愛知万博では約100ケ所に設置され、5名中4名が救命し得ております。本邦でも、航空機の中や公共施設に、最近急速に進んでいますが、いまだ十分ではありません。また、使用いただかなければ、ただの箱です。 広島県での救急事情は? 広島県の調べによりますと、「目撃→救急隊員によるAED施行」まで、平均13分(平成17年度)とのデータが出されています。広島市でも、救急車出動から現地までの到着時間は4.4分となっておりますので、救急隊到着までの処置(心肺蘇生/AEDを含む)が大変重要になります。近くにAEDがあれば、是非使ってください。 (%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 00 1 2 3 4 5 6 7 8 9経過時間 除細動が1分遅れるごとに社会復帰率 は7〜10%低下する。 (分) AEDだけ実施してもよいのでしょうか? 何もせず、救急車の到着を待つよりも、AEDだけでも使用していただくことはよいことです。しかし、AEDのみで蘇生(息を吹き返す)することは多くはありません。AEDにより、心室細動から回復した場合でも、90%の方でその後も心肺蘇生が必要な状態である」といわれています。そのため、除細動後直ちにCPR(心肺蘇生:胸骨圧迫と人工呼吸)の継続ください。絶え間ない胸骨圧迫が最も大切です。人工呼吸はいやなら無理に実施されなくても結構です。 CPRとは? Cardio Pulmonary Resuscitationの頭文字をとった略語です。日本語では、心肺蘇生と呼び、胸骨圧迫(心臓マッサージ)・人工呼吸を実施する事を意味します。 人工呼吸はいやならしなくてもよいのですか? 心臓マッサージ(胸骨圧迫)と人工呼吸の比率は? 心臓マッサージ(胸骨圧迫)を実施したことが無いのですが? もちろん、胸骨圧迫とともに実施いただくことが望ましいのですが、吐物や血液で汚れているときなど(感染症の危険もありますので)、実施しがたい時は無理をせず、胸骨圧迫のみで結構ですので絶え間なく実施ください。また、AEDは到着しだい実施ください。もちろん、ポケットマスクやフェイスシールド(写真)を持ち歩いていただいて、緊急時に使用いただくのが最良です。後者は、インターネットや医療機器取扱店などで購入できます。 心臓マッサージ(胸骨圧迫)と人工呼吸の比率は、以前は15対2とされていましたが、2005年の国際会議で一律に30対2と変更されました。特に「絶えまない胸骨圧迫」が重要とされ、疲れる前に胸骨圧迫施行者の交代が大切です。胸骨圧迫は大変重要ですがもその回数は30回としていますが、厳密に30回の必要はありません。およそ30回でよいのです。 胸の真ん中(乳首を結ぶ線の中央)を真上から垂直に押します。押す深さは、成人の場合、4-5センチ程度。ペースは、1秒間に約2回(1分間に約100回)という早いペースでプッシュください。コツは。「強く」「速く」「絶え間なく」です。放置すれば死にいたる状態です。初めてであっても勇気を出して実施ください。実施すべきか?控えるべきか?悩んだ時は、悩まず胸骨圧迫を実施ください。 フェイスシールド フェイスシールド ポケットマスク
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