禁煙コーナー

禁煙に関するコラム

禁煙コーナー今昔

日本赤十字広島看護大学 名誉教授
川根 博司

 広島県医師会で発行している広島県医師会速報では、月に一度『禁煙コーナー』が掲載されており、禁煙推進委員会委員たちが交代で執筆することになっている。このたび、私にとって何回目かの執筆依頼が来たので少し過去を振り返ってみたいと思う。
 広島県医師会ホームページ内に「禁煙コーナー」が開設されているが、その中の「禁煙に関するコラム」からこの『禁煙コーナー』を探し出しやすい。平成12年(2000年)~平成17年(2005年)はほとんどが故岩森茂先生の執筆によるものだったが、平成18年(2006年)10月から今のような形となった。当時委員長だった筆者がトップバッターということで「-喫煙は人殺しだ!-」と題する拙文を書いた(広島県医師会速報 第1955号)。
 それ以来多くの委員の方々のお力により禁煙コーナーが続いているわけだが、直近の8月25日(第2489)号で奥村みどり先生の「タバコ吸わないで!と叫びたい」を読んで他人事とは思えなかった。妻と一緒に庭仕事をしている時、隣からタバコの臭いがしてきて家の中に慌てて駆け込むことがあるからだ。下記は朝日新聞の Asahi Haikuist Network(2014年5月30日)に掲載された私の英語俳句である。直訳すると「煙のない世界/バラ色の未来/その途上に」となるが、五・七・五にして「煙なき バラ色未来 すぐそこに」と和訳してみた(広島県医師会速報 第2309号)。

Smoke-free world

a rosy future

on its way

 本当に煙のない社会が実現すれば、タバコが苦手な人にとってもっと住みやい世の中になるだろう。英語俳句(haiku)は私の数少ない趣味であるが、同号「英語俳句とスモークフリー・ワールド」にいくつか喫煙・禁煙に関連した haiku を載せているのでご覧いただければ幸いである。
 ところで、皆さんは Doublet(ダブレット)というものをご存じだろうか。『不思議の国のアリス』の作者のルイス・キャロルが考案したとされる Doublets(ダブレッツ)は、同じ字数から成る2つの単語を決め、最初の語を1度に1字ずつ変えて最も少ない回数で2つ目の語にすることを競うゲームである。ある辞書には例として、hand→legs の場合に、land→lend→lens→legs が出ていた。ダブレットに興味を持ち挑戦して作ったのが、
 "Don't smoke. STOP, just QUIT!"
 STOP→shop→ship→slip→slit→suit→QUIT である。禁煙が健康のコツ...何があってもやめるということで stop を quit にしてみたのだが、NHKラジオ英会話レッツスピーク(2004年3月号)に掲載され、講師から「スペルがこんなに違うものを頑張りましたね」とお褒めの言葉をいただいた。
 他にも同雑誌にその頃採用された英語のユーモア作品を紹介すると、

Life is like a cigarette. If you smoke, it gets shortened.(人生はタバコのようなもの。吸うと縮まる)

"Don't smoke, "said Jiro mildly seven times.(「タバコを吸うな」と次郎は穏やかに7回言った)

などがある。後者は「NHKではまずいでしょうか」と問う筆者に対して「穏やかに7回言うのは大変よいと思います」との講師コメントであった。もちろんJTの主力銘柄「マイルドセブン」に引っかけたわけだが、2013年に名称を「メビウス」に変更されており、今の若い世代には面白みが通じないかもしれない。

 最後に、英語俳句でも使ったスモークフリー・ワールド(煙のない世界)について述べておきたい。元来スモークフリーは喫煙対策(禁煙推進)においてタバコ煙をなくそうというものだった。ところが、フィリップモリスは加熱式タバコ「アイコス」が煙を出さない(蒸気である)という屁理屈から、「煙のない社会を目指して」というキャンペーンを行っている。7月25日(第2486)号の禁煙コーナーに安藤仁先生が書かれているように、ZOZOマリンスタジアムで球場内の全ての喫煙所が加熱式タバコ専用エリアになったのはその一環である。場合によって、今後の禁煙推進活動はスモークフリーをタバコフリー、ニコチンフリーと言い換える必要があろう。

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