禁煙コーナー

禁煙に関するコラム

タバコ吸わないで!と叫びたい

医療法人社団 白河産婦人科
奥村 みどり

 コロナと戦いつつ1年以上が経過しました。
 世の中の健康管理に対する認識は明らかに変わったと思います。マスク、手洗いは今や常識。ステイホームによるコロナ太りにはさまざまな解消法がSNS上にあふれています。生涯運動音痴の私も福山市の健康アプリ(目標歩数に達成したらポイントが溜まり、ちょっとした特典と交換できるウォーキングアプリ)を使って毎日意識的に歩いてダイエットに励んでいます。
 タバコに対してはどうでしょうか。コロナ感染の際の重症化のリスクは、タバコを吸う人では吸わない人より1.6倍増加するといわれており、これは肥満(1.8倍)高血圧(1.6倍)と並ぶリスクです。(糖尿病が3.4倍だそうです)
 リスクが高いことは分かっていてもタバコはやめられない人がまだまだ多いのではないかな、と思います。私が体験したタバコの匂いとの小さな戦いについて、今春の福山市の医師会報に寄稿したものなのですが、割と皆さまに同情いただけたので、こちらにも転載しご紹介させていただきたいと思います。
 コロナだからこそ流行に乗ってステイホームを楽しまなくては!と息巻いていた私はベランピングなるものを見つけました。ベランダを居心地の良い空間に改良し、アウトドア気分を味わう事です。テレビやネット上にはおしゃれなベランダの画像がたくさん載っています。これは、やりたい!
 わが家の小さいベランダはホコリだらけ土だらけ、ことごとく枯らし続けた歴代の家庭菜園の残骸(プランターと土)がそのまま残っています。汚いベランダのガラクタを片付け、人工芝を敷いて、グリーンを飾り、小さい椅子とランプを置いてそこでのんびりビールを飲もう!と計画しました。プランターを隅に片付け、ホウキで掃除し始めた頃、最大の敵が現れました...近くの部屋のベランダからのタバコの匂いです。一気にテンションが下がりました。
 緊急事態宣言が出されて在宅ワークが増え、自室では吸わせてもらえない、3密の喫煙所に行けない、路上喫煙できない、となるとベランダ喫煙せざるを得ず、でも換気の為に窓を開けている家が多いので吸わない人とのタバコのトラブルがとても増えたそうです。確かに洗濯物にも臭いはつくし、吸わない側からすると不快極まりありません。コロナは喫煙者では明らかに悪化するということがだいぶ周知されてきていると思いますが、しかし、このパンデミックで喫煙量は世界的には増えたという情報もありました。一方でアメリカでは、喫煙者だというだけで優先的にワクチンが受けられる(ハイリスクだから)という、吸わない側からしたら理不尽ですが、そういう州もあるそうです。ちなみに受動喫煙で吸わされる副流煙の方が、スモーカーが自分で吸う煙よりも有害物質を3倍多く含むといわれており、また、サードハンド・スモークと言ってタバコを吸った後、カーテンや衣服などに染み込んだ匂いにも有害物質が含まれているのが分かっています。こんな理不尽なことがあるでしょうか。こんな危険なベランダでは癒されない!と、ベランピング熱は一瞬にして冷めてしまい、ベランダは結局そのままでまた放置されてしまいました。プランターに残った土に埋めた白菜の切れ端から今年の春に綺麗な黄色い花が咲きました。思いがけないベランダお花見です、自然の贈り物にちょっと癒されて嬉しかったです。散ったたくさんの小さい花びらが風でsmokerのベランダの方に飛ばされていきましたのでそのまま放置させていただきました(秘)。

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