禁煙コーナー

禁煙に関するコラム

禁煙指導

阪田医院
阪田 英世

 このたび三原市医師会で禁煙担当の理事になりました。実は5年ほど前まで喫煙者でした。20歳頃から53歳まで喫煙していたわけですが、特に薬のお世話にもならず割と簡単に禁煙できました。
 禁煙のきっかけはお酒でした。もともとウイスキーやジンなどの蒸留酒が大好きで、これらを飲むときにはタバコは欠かせない物でした。
 52歳頃にほとんど飲む事のなかった日本酒を飲むようになりました。お隣の竹原市で何となく買った藤井酒造の「龍勢」というお酒で日本酒にはまってしまったのです。それまで日本酒はベタベタ甘くて飲めば翌日に残るといった印象しかありませんでしたが、純米酒のすっきりとした甘みや翌日に残らないことにびっくりしていろいろな純米酒を飲むようになりました。
 ネットで調べたり酒屋さんで尋ねたりして飲み比べていたのですが、今一つ味の違いがわかりませんでした。そこでようやく「これはタバコを吸うせいではないか」ということに思い至りました。それで禁煙することにしました。
 禁煙してすぐの変化は時間でした。タバコ1本を吸うのに5分程度としても1日10本程度で1時間程度の時間が失われます。それが使えるようになったので行動にゆとりができました。毎朝1時間程度散歩するようになり体調の良さを実感できるようになりました。
 次にお金です。二日に一箱でも1ヵ月では400×15で6,000円、使えるお金が増えました。
 味覚の改善はしばらく実感できませんでしたが以前よりもたくさんのお酒が飲めるようになり、だんだん酒の味について語れるようになりました。で、ある酒席で偉そうに日本酒について語っていたら「日本酒の会」という会の会長にしていただきました。この会はもう活動していませんが介護福祉職の方々が主な会員だったので、そのご縁?で三原市のケアマネ協の会長をさせていただくようになりました。
 というわけで、タバコをやめると体調がよくなり良いこと尽くめなので、通院している喫煙者の方に「禁煙するとごはんがおいしくなって、使える時間とお金が増えて、そのうえ体が楽になるよ」と繰り返し禁煙を勧めてみました。するとこれまでに4人の方が禁煙してくれました。その中には父親を肺がんで失ったにもかかわらず禁煙してくれなかった方もいました。
 禁煙指導というと、どうしても喫煙によるデメリットを振りかざすイメージがあるのですが、「お前のやっていることは悪いことだ」と言われて首を縦に振る人は少ないと思います。禁煙によるメリットを強調するような禁煙指導もあっていいのではないでしょうか?

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