救急小冊子

救急小冊子のお申し込み

緊急時の対策や予防など様々な情報をご覧いただけます。

※救急小冊子内の記載事項及び連絡先等は発行当時のものです。

皮膚病-時に救急疾患を中心にして-

目次

7.ウイルス性皮膚疾患

(1)単純性疱疹(単純へルペス)

俗名:熱のハナ
単純性疱疹ウイルス(HSV)によって起こります。
皮膚粘膜移行部に小水疱が集まって発生し、数日で、びらんとなり、乾燥し、治癒します。しばしば再発します。口唇にできるもの(主として HSV1型)と陰部にできるもの(主として HSV2型)とに分かれます。
陰部のものでは、特に女性の場合、尿道付近にできた場合、排尿時激痛を生じることがあります。早め早めの治療で症状を軽くすることができます。
出産直前の妊婦が陰部に単純疱疹の病巣を持っている場合、出産時胎児に重症感染症を来す可能性があるので帝王切開が必要になります。
症状によっては、放置していても自然に治りますが、中等症以上のものでは、アシクロビルという抗ウイルス剤が有効で、外用剤、内服薬、注射剤等、症状に応じて使い分けができ、以前に比べると、治療しやすくなっています。


(2)カポジー水痘様発疹症

単純性疱疹の特殊型。湿疹、とくにアトピー性皮膚炎の乳幼児に突然高熱とともに小水疱が多発。脱水その他全身症状をともない予後の悪いこともあります。入院のうえ、積極的な治療、全身管理が必要です。


(3)水痘(みずぼうそう)

水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の感染によって起こります。
小児に多いが、まれに成人に起こり、その場合しばしば重症になります。


(4)帯状疱疹

幼児期、水痘にかかった人の、脊髄に潜む休止期のVZVが、活性化し発症します。
全身性疾患(悪性腫瘍、結核、糖尿病など)、薬剤(抗癌剤、ステロイド、免疫抑制剤など)X線照射、過労などが誘因となって発症することがあります。
ふつう、片側の一定の神経領域に紅斑、小水疱を生じ、全体として帯状に並びます。神経痛、知覚過敏をともない2~3週間で治癒します。痛みは、軽いもの から、夜も眠れないような重症のものまで様々です。高齢者、免疫抑制状態の患者では重症になる可能性があり注意が必要です。また、顔面に生じた帯状疱疹で は、神経痛が残ることが多く、また、眼、耳などに合併症を生じやすいため、できるだけ早期に十分な治療をしておくべきです。最近では、抗ウイルス剤が治療 に役立つようになっていますが、発症後5日目までに治療を開始しないと効果がありません。


(5)風疹(6)麻疹

それぞれ成人では発熱その他全身症状が重症になりやすい傾向にあります。このような疾患が疑われる場合は、他人への感染性、全身管理の面からも早めに医療機関を訪れ、確実な診断、適切な指示、治療を受けてください。
他のウイルス感染症でも類似の病変を作ることがありますので、できるだけ正確な診断に至っておくことも大切です。

前ページ:「6.細菌性皮膚疾患」へ 

戻る

 次ページ:「8.動物による皮膚疾患」へ