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皮膚病-時に救急疾患を中心にして-

目次

1.接触性皮膚炎

接触性皮膚炎(かぶれ)は、あるものに接触して、間もなく、ないし、数日(極端な場合は2~3週間)たって起こり、接触した場所に湿疹反応が現れます。
アレルギー性のものと、刺激性のものとがあります。
原因物質としては、植物、化粧品、化学薬品、衣料品、装身具その他、家庭、職場環境内のほとんどすべてのものが原因となりえます。
接触源が接触した場所に一致して、比較的、境界のはっきりした湿疹反応を示します。
痒み、ときに痛みをともなう紅斑(赤み)が生じ、その上に小さい丘疹、水疱ができます。接触源が広範囲に作用すると、作用部位に湿疹反応を生じるとともに、発熱、全身倦怠感などの全身症状を示すこともあります。
また、刺激が強い場合には、皮膚が壊死に陥り、潰瘍をつくることがあります。
このような重症になりそうな急性期の接触性皮膚炎の場合は早急な適切な処置が必要です。
治療の基本は、原因物質(接触源)の検出と除去です。
経過、環境、皮疹の部位などにより、原因物質はある程度は推測できますが、貼布試験(パッチテスト)が必要な場合もあります。貼布試験は、接触皮膚炎の 原因と疑われる接触源(アレルゲン)を一定時間皮膚に作用させ、反応をみる方法で、原因がはっきりしない場合、専門の皮膚科の病院、医院でしてもらうのが 再発予防のためには大切です。
ただ、急性期の場合には、検査よりもまず速やかな治療が必要です。まず、局所を冷たい水で洗い、冷やしたのち、副腎皮質ホルモン軟膏の塗布、あるいは、 亜鉛華軟膏などの重ね塗り、ガーゼなどの処置とともに、痒みをおさえるための抗ヒスタミン剤の内服、重症の場合には、副腎皮質ホルモン剤の短期間の内服が 必要となります。
また、初期の治療の開始が遅れて、湿疹反応が全身に拡大したもの(自家感作性皮膚炎という)あるいは慢性化したものは、かなり難治性で専門の皮膚科医による治瞭が必要となります。
接触性皮膚炎の好発部位と原因との関係を図に示しました。

*植物による接触性皮膚炎
・顔(目のまわり、頬、顎)、くび、前腕、手の甲、外陰部、下肢に好発

・サクラソウ(プリムラ・オブコニカ)、ギンナン、ウルシ、ハゼ、キク、アロエなどによるものがよく見られます。

ウルシ、ギンナンが代表的なものでしたが、最近サクラソウによるものが増えてきています。

・早期に原因がわかれば、治癒は容易ですが、時に、全身に拡大し、自家感作性皮膚炎の形をとることがあります。


*薬剤による接触皮膚炎
創、潰瘍、あるいは、湿疹、皮膚炎などの病巣に消毒剤、抗生物質軟膏、抗真菌剤などを塗っているうちに、その薬剤が原因でその病巣の周辺に痒み、赤み、 水疱、腫れなどの症状が現れることがあります。もとの皮膚疾患が悪化したのか、塗った薬剤が悪かったのか判定するのは、しばしば、困難です。放っておくと 急激に悪化することがありますので早めに医療施設で診断、治療を受けた方が良いでしょう。

 

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接触性皮膚炎の部位と接触源


*化学熱傷
酸、アルカリ、その他多くの化学物質、重金属、ガス顆などとの接触による皮膚の障害を化学熟傷といいます。
化学工場での産業災害、学校での実験中の事故、農薬、洗剤などによるものなどがあります。
部位は、顔、手、くび、足などに多く、熟傷と同様の症状が起こります。ただ、化学熟傷の場合は、原因の物質が中和されるか、なくなるまで、組織への障害が続くため、深い部分まで及びやすいという特徴があります。
治療:初期は、できるだけ早い時期に十分な流水で洗い、薬品をうすめ、皮膚組織での化学反応を抑え、炎症を軽くするようにつとめます。中和剤の使用には注意が必要です。
それ以後の処置は、一般の熱傷と同様に、局所療法、全身管理を行います。


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