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知っておきたい予防できる海外での感染症

目次

デング熱

スペイン語の「ダンディー」が「デング」の語源です。発病して腰痛が出たときに、腰に手をやる仕草が、ダンディーな人の様子に似ている所からついた名前と言われています。デングウイルスによる感染症で、ネッタイシマカなどの蚊が媒介します。流行地域は図3の地域で、東南アジアからインド、中南米がおもな流行地域です(2011年国立感染症研究所感染症情報センターの資料より引用)。

図3

図3 デング熱の流行地域

(国立感染症研究所感染症情報センター資料(2011年)より引用)

潜伏期間は4~7日程度で、旅行から帰国後に発熱する場合もあります。主な症状は発熱で、39℃以上の発熱が続きます。感染者から他の人に伝染することはありません。日本国内で感染が広がる可能性は非常に低い疾患です。

本疾患は発熱が持続するものの、自然に軽快し、その間特に治療はありません。ただし血液検査で血小板が低下し、出血傾向の原因になる場合もある点に注意が必要です。時に出血性のデング熱という病態を呈し、出血傾向により死亡する例も報告されています。帰国後に原因不明の発熱がある場合は、医療機関を受診して血液検査を受けてください。その場合は渡航した国や地域を医師に伝えると診断に役立ちます。

デング熱には予防するワクチンや飲み薬はありません。対策は「蚊に刺されない」ことが一番です。具体的には長袖の着用など服装の工夫の他、塗り薬があります。虫除けの薬で、DEET(ディート)という成分が有効です。国内外でDEETが含まれた虫よけの塗り薬やスプレー製品は販売されています。これらの製品には濃度が書かれており、図4の製品の場合は30%です。DEETの濃度が高いほど持続時間が長く、10%なら2時間持続、50%なら一晩有効です。我が国で市販されている製品では最高12%ですので、短時間しか有効でないことに注意してください。長時間作用の高濃度の製品が必要な場合は、渡航先の空港やドラッグストアで購入できます。ただし幼児には30%以上の製品を使用しないこと、肌に合わないときは使用を中止するようにしましょう。

図4

図4 虫よけ剤の塗り薬は「DEET」という虫よけ成分の濃度がポイントです。

写真の製品は30%で6時間程度有効です。

日本では10%程度の製品しか市販されていないため、流行地域に渡航する際は、渡航先の空港にあるドラッグストアで購入してください。


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