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知っておきたい薬物の乱用・依存に関する基礎知識

目次

解説 IV.薬物の乱用・依存が何故に若者の問題であるのか?

青年期の精神構造と問題行動

 青年期には、人生上の2つの「人格発達課題」をこなす必要があります。健康な大人になるためには、(1)<社会化>:社会の成員としての行動様式、規範を習得する過程と、(2)<個性化>:自己同一性を確立し、自己実現する過程をこなす必要があります。「個性豊かに」といっても、大麻などを平気で所持・使用するなど法律を無視しては、健康な大人にはなれないのです。先ず、社会のルールを遵守して、その中で個性を発揮する必要があるのです。青年期はこのような人生上の課題と、<内から生ずる本能的欲求>との狭間で葛藤状態におかれている≪人生上の疾風怒濤の時期≫であり、心理的に不安定な存在なのです。
 幼児期には親の言うことを聞いていたのですが、青年期は自我が芽生え、親や社会が「ダメ、危険だから」と禁止していることにも、自分で試してみなくては、なかなか納得できない冒険心に富む年代です。そういう中から色々な発明や発見もなされるのです。青年期の冒険には、一時的な疾病逃避、さぼりといった<自我収縮的冒険>もあれば、喫煙、飲酒など<自我拡張的冒険>もあります。これらの冒険が進行して病理的な段階では、非社会的あるいは反社会的行動として、何らかの治療的対応が必要となります。種々の薬物乱用は<自我収縮的な非社会的行動>としても、<自我拡張的な反社会的行動>としても、見られるものです。社会では、非社会的行動には比較的同情をもって対応することが一般的ですが、普段多くの若者と接している筆者からすれば、反社会的行動にも同じく、もっと愛情をもって対応して欲しいものです。


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