家庭で知っておきたい耳鼻咽喉科の救急
B:鼻の症状
鼻は空気の取り込み口として顔面の中央に突出した部分です。取り入れた空気を肺での呼吸に適した状態とするため、鼻腔内を通る間に温度の調整(主と して加温)と湿度の調整(主として加湿)を行います。(図5)また、鼻の上方の一部には嗅覚をつかさどる部位が存在し、外部情報としての嗅いを感知してい ます。(図6)鼻の症状として救急診療を要する可能性のあるものには止血困難な鼻出血があります。


(4)鼻出血
(1)一般的な止血方法では止血困難なもの
→心筋梗塞や脳梗塞などの病気の治療や予防のため抗凝固剤(いわゆる血液をサラサラにする薬)の内服を行っている人。肝硬変など肝機能障害のある人。白血病やがんなどの悪性の病気の既往がある人や、現在治療中の人など。
(2)一般的な止血方法で止血可能なことが多いもの
→(もともと元気な)子どもの鼻出血。打撲による出血など。
鼻出血への対応
一般的にはまず、鼻翼の圧迫による止血を行います。詳しい方法につきましては、第2章をご覧ください。
救急診療の目安
(1)、(2)ともに第2章で紹介する圧迫止血の方法で止血ができないときは、耳鼻咽喉科病院への救急受診を行ってください。