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家庭で知っておきたい脳卒中の救急

目次

脳卒中 Q and A

脳梗塞が疑われるのは、どのような症状が起こった場合ですか?

片方の手足がしびれる、足がもつれる、手足 に力が入らない、ろれつがまわらない、言葉がとっさに出てこない、他人の言うことが分からない、ものが見えにくい、といった症状が1つでもあれば脳梗塞が 疑われます。こんな症状に気づいた時は、様子を見ようなどとは考えず、ただちに病院に駆けつけることが大切です。

脳卒中の前触れはあるのですか。前触れがあったらどうすればよいのですか。

脳梗塞の前触れとして、一過性脳虚血発作が 知られています。一過性脳虚血発作は、突然脳卒中の症状がおこり、普通5-15分間以内に、長くても24時間以内に治ってしまう発作です。片方の手と足に 力がはいらなくなる、体の半分(顔を含む)がしびれる、ろれつがまわらなくなる、言葉がでなくなる、相手の言うことをよく理解できない、片側にあるものに 気がつかないためにぶつかってしまう、片方の目にカーテンがかかったように見えなくなる、物が二重に見える、一側の視野が欠ける、めまいがする、ふらつ く、力はあるのに立てない、歩けない、などが脳梗塞や脳出血の症状です。なお、クモ膜下出血の症状は、今までに経験したことのないような激しい頭痛が突然 生じ、意識がなくなりますが、通常、手足の麻痺は起こりません。
一過性脳虚血発作は、症状が短時間で消えてしまうために軽く考えられがちですが、放置すると約2割の方は数年以内に脳梗塞になります。治療によって脳梗塞になるのを予防することが可能ですので、必ず専門医を受診してください。
また、症状が現れた時点では一過性脳虚血発作と本物の脳梗塞とは区別できませんので、すぐに救急車を呼んで専門医を受診してください。

目に症状が出ることもあると聞いたのですが?

頚動脈に強い動脈硬化がある場合、一過性黒 内障といって、急に片方の視力が落ちて、数秒から数分で回復する症状があります。これは、頚動脈にできた血栓の一部がはがれて、眼動脈に流れ込んで起こる ものです。一過性黒内障は、症状が数分以内に回復するため、ただちに医療機関で受診するということは少ないようですが、特に注意が必要な一過性脳虚血発作 の1つです。

脳卒中になったらどうすればよいのでしょうか。

たとえ夜中であろうと、休日であろうと、す ぐに救急車を呼んで、専門医のいる病院へ搬送してもらうことが大切です。一過性脳虚血発作を経験した方、家族に脳卒中経験者がいる方、高血圧、糖尿病、高 コレステロール血症、心房細動、喫煙習慣、多量飲酒習慣のある方は、いざという時にどこの病院に行ったらよいのか、日頃からかかりつけ医に相談しておくこ とが重要です。
脳卒中急性期は入院治療が原則です。脳卒中に精通している医師・看護師・リハビリテーションスタッフの居る病院で治療を受けると、死亡率が下がり、回復 が良いことが分かっています。最近では発症後ごく早期(3時間以内)であれば劇的に効果がある治療法もあります。とにかく、できるだけ早く救急車を呼んで ください。備えあれば、憂いなし。日頃から、いざという場合のことを考えておきましょう。

脳卒中ではなぜ早期治療が大切なのですか?

脳梗塞が起こると、数分後には脳細胞が壊死 し始めます。そして、時間がたてばたつほどダメージが広がり、後遺症も大きくなります。したがって、後遺症を少しでも軽くするためには、一刻も早く医療機 関で診断を受け、治療を始めることが必要なのです。 安静と点滴治療、抗血栓治療が基本です。発症3時間以内の脳梗塞に対して、血栓溶解薬tPAが適応になれば、麻痺症状が改善しやすくなります。
脳出血に対しても、安静、血圧が非常に高い場合血圧低下治療をできるだけ早くおこないます。

脳梗塞急性期にはどのような治療を行うのですか?

脳梗塞の発症直後は薬物治療が基本で、「血栓溶解療法」、「抗血小板療法」、「抗凝固療法」、「脳保護療法」などが行われます。
「血栓溶解療法」は、血管に詰まった血栓を、t-PA(組織プラスミノーゲンアクチベーター)という薬で溶かし、血流を再開させる方法です。また、「抗血小板療法」は血小板の働きを抑えて、血液が固まるのを防ぐ治療法です。

脳梗塞急性期の治療法
血栓溶解薬(t-PA) 抗血小板薬 抗凝固薬 脳保護薬
血管に詰まった血栓を溶かし、血流を回復させる薬です。発症3時間以内に投与すれば、大きな効果が期待できます。出血という副作用もあるので、専門医による専門設備の整った病院で投与されます。 血小板の働きを抑え、動脈内で血栓ができるのを防ぐ薬です。再発予防のため、アスピリン等が広く用いられています。 血液を固まりにくくすることで、心臓や静脈内で血栓ができないようにし、脳梗塞の再発・ぶり返しを防ぐ薬です。 脳梗塞が起こったときに発生する有害物質(フリーラジカル)を取り除き、脳細胞を壊死から守る薬です。後遺症や脳のむくみを軽減する効果が確かめられています。

脳卒中は予防できるのですか。その方法を教えてください。

脳卒中の予防には、生活習慣の見直しが重要です。たばこをやめる、大酒を飲まない(1日に日本酒なら1合、ビールなら中ビン1本以下が目安)、適切な運動をすることが重要です。
高血圧の予防には塩分控えめの食事、カリウム(野菜や果物に多く含まれています)の摂取、運動(少し汗ばむ程度の早歩きを毎日30分)をすることが有効です。
糖尿病や高コレステロール血症の治療には、適切な食事量、運動に加えて、それぞれ糖分や脂肪分を控えることです。
既に高血圧、糖尿病、高コレステロール血症と診断されている方は、かかりつけ医と相談して、それらの治療を継続する努力こそが脳卒中の予防につながります。
不整脈の一種心房細動は高齢者に多く、これがあると脳梗塞になりやすいことが分かっています。心電図で容易に診断できますので、心電図検査を受け、心房細動があれば、脳梗塞予防のための抗血栓治療を受けましょう。

脳卒中になったらどの程度回復するのでしょうか。

リハビリテーションによって機能回復をめざ しましょう。急性期を脱して最初の3カ月の努力が報われます。脳卒中後の回復は個人差がありますが、普通、最初の数ヶ月で著しく回復し、その後、半年くら いまで緩やかな回復が続きます。発症後半年をすぎると回復はさらに緩やかになります。
回復が頭打ちになってきても、なんらかの形でリハビリテーションを続けてください。寝たきり、自宅での閉じこもりを続けていると、体の動きが全体的に 弱ってきます。病院だけがリハビリテーションの場ではありません。デイサービスやデイケア、そして日常生活そのものがリハビリテーションの場です。

1 救急車を呼ぶときには

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119番通報の仕方

指令の係員が質問します。

落ち着いて、次の要領で答えてください。

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「火事」か「救急」か?

→「救急」です!

住所又は目標物は?

→「○○区 ○○町 ○○丁目 ○○番 ○○号
△△マンション ○○○号室」です。

屋外などで住所が分からないときには、目標物を伝えてください。

○○バス停、○○橋、○○交差点、○○というお店の近くです。

 

なにが、いつ起こったのか?

→急病人です。
○○歳位の男性が、仕事中に急に気分が悪くなり倒れました。

→意識がかすれています。右または左の手足が動きません。

何時何分に倒れたかとても大切です。


どんな様子なのか?

→「呼びかけても、反応がありません。」

→「呼びかけて、眼が開きます。半身が動きません。」

→「意識はしっかりしています。しかし、半身がしびれています」

※呼びかけても反応がない場合には、呼吸の有無について観察して伝えてください。
(電話による応急手当の指導が必要か判断するためです。)

→「嘔吐しています」

→「頭がバッドでたたかれたように痛みます」

→「けいれんをおこしています」

通報者の氏名・電話番号は?

→名前は△△、使っている電話は、○○○-○○○○です。

(こちらから、かけ直すことがあるためです。留守番設定、着信拒否設定は解除してください。)

119番通報に関するその他の注意事項

携帯電話からの119番通報は、消防本部の管轄境界付近では、管轄以外の消防本部に繋がることがあります。(住所をはっきりお伝えください。)

この場合には管轄消防本部に転送しますので電話を切らないでください。

固定電話(一般加入電話、公衆電話)からの通報については、発信地表示システム(119通報した住所等を自動的に表示するもの)を導入している消防本部もあります。携帯電話、固定電話いずれからも通報できる場合には、固定電話から通報しましょう。

2 救急車が到着するまでに…

応急手当をしましょう。

安全な平らの所へ移動させ、頭を上げずに安静を維持します。呼吸がしやすくします。
119番通報時と容態が大きく変化した場合(意識がなくなった、けいれんが始まった、嘔吐して呼吸が止まったなど)には、再度、119番でお知らせください。


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救急車を誘導しましょう。

応急手当する人以外に、人がいたら、救急車を誘導に出てください。時間を無駄にせず、迷わずに患者さんの場所まで行くことができます。特に、大きなビルなどでは誘導者が重要です。オートロックのビルなどは、ロックを解除してください。


3 救急車が到着したら…

救急隊に、次のことを伝えてください。

患者さんの容態

救急隊が到着するまでの患者さんの容態について伝えてください。
特に、容態が変化した場合には必ず伝えてください。
意識不明になったか、それとも眼が開き、しゃべることができるようになったか。
けいれんして、失禁したり、口から泡をふいたり、眼が上向いたとか。
手足が全く動かなくなったか、逆に動き出したとか。

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行った応急処置など

患者さんに対して行った応急手当(服用させた薬なども)について伝えてください。

持病やかかりつけの病院等

患者さんの持病やかかりつけの病院などは、重要な情報ですので救急隊へ伝えてください。お薬手帳や処方箋、常備薬も持参ください。

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広島県心筋梗塞・脳卒中予報を広島県医師会と気象庁との共同で発信しております。

ホームページ:http://sinkin.hiroshima.med.or.jp/index2.htmlです。御覧下さい。

「警戒」の時は特に気をつけましょう。「普通」のときも、まったく安全とはいえないので注意は必要です。

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喫煙、高血圧、運動不足、ストレス、高脂血症、糖尿病などに原因があり、特に高血圧の方、またはこれらの症状が気になる方は、今日から明日にかけて、脳卒中の発症に注意してください。

体が動かない、上手く話せない、体の片側がマヒした、食べ物や飲み物が上手く飲み込めない、などの異常に気づいたら、我慢しないで、119番に電話し、できるだけ早く救急車を呼んでください。

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心筋梗塞と同様に、生活の中で体を冷やさないよう寒さ対策をしっかりしてください。特に、家庭では、トイレや脱衣場、そして廊下を暖めてくださ い。また、入浴では一番風呂を避け、バスルームをあらかじめ暖め、急に熱いお湯に入らないように気をつけましょう。さらに、トイレ・廊下ではガウンなどを はおりスリッパを着用して体が冷えないようにしましょう。首と足を冷やさないことが大切です。

外出時には、コートはもちろん、帽子、マフラー、手袋など防寒具を身につけ、寒さを避けるようにしてください。冷たい空気を吸わないようにマスクをつけることもお勧めします。


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