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家庭で知っておきたい 皮 膚 の 病 気

目次

4.かぶれ(接触性皮膚炎)

かぶれには、物質や製品の刺激がつよいため、誰にでも生じる「刺激性皮膚炎」と、一般の人にはなんともないものに対して、アレルギー反応を起こすことによって生じる「アレルギー性皮膚炎」の大きく二つがあります。

1.刺激性皮膚炎
1) 原因

酸・アルカリ、化学薬品
灯油・ガソリン
農薬・肥料
植物、昆虫

などが上げられます。
また、通常の使用方法では刺激を起さない製品でも、誤った使用方法により生じることもあります。
例:顔のパックを一日中行った
例:薄めて使うべき洗剤を原液のまま使用した

最近では、一回の接触による刺激は弱いが、その繰り返しで生じる皮膚炎が多く見られます。
例:台所洗剤による主婦の手荒れ
例:美容師、理容師、調理師など水をよく使う人の手荒れ
例:ナイロンタオルでの摩擦によるタオル皮膚炎


2) 症状

刺激となる物質が接触したところに一致して、発赤、かさかさ(落屑[らくせつ])、ぶつぶつ (丘疹)、水ぶくれがみられます。刺激が少ない場合は、かゆみを伴う局所のかさかさのみにとどまりますが、それでも繰り返されると、発赤とぶつぶつが出現 し、時には浸出液を伴うようになり、強いかゆみが引き起こされます。さらに刺激が繰り返されると、ぶつぶつがくっついて硬く盛り上がった皮膚となってきま す(苔癖化[たいせんか)。
一度に強い刺激が加わった場合には、やけどと同様の症状を呈し、原因が化学物質である場合は「化学熱傷」とも呼ばれます。症状は局所の赤みとそれに続く 水ぶくれであり、非常に強い刺激が作用した場合には皮膚が壊死し、続いて潰瘍となり、強い痛みを伴います。


3) 治療

皮膚炎の原因となった物質を見つけ、それを取り除くことが最も重要です。出現している症状に対しては、ステロイド薬や保湿薬の外用を行います。かゆみが強い場合には、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬などの飲み薬が併用されることもあります。

慢性の刺激のため、皮膚の表面がかさかさし、いたんでいる場合は、保湿薬やワセリンなどの皮膚を保護する薬をたっぷりとこしかも頻回に外用します。

化学熱傷の場合にはやけどと同じ治療を行います。

症状が激烈な場合は、短期間のステロイド薬の内服が行なわれることもあります。

2.アレルギー性皮膚炎

1) 原因
金属(クロム、ニッケル、コバルトなど)
防腐剤(パラベン、チメロサールなど)
毛染料(パラフェニレンジアミンなど)
ゴム製晶加工に用いられる化学物質
うるし
などが上げられます。
その他にも、医薬品、消毒薬、化粧品など身近にあるあらゆるものが原因となりえます(図7)。
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図7

2) 症状
アレルギーを引き起こす物質が接触したところに一致して、局所の腫れ(浮腫)を伴う赤みが出 現し、ぶつぶつ(丘疹)に変化してきます。典型的な反応では、原因物質に接触し12時間後ころから局所のかゆみがはじまり、20時間後くらいにぶつぶつに 変化し、24~48時間後に炎症は最大となります。アレルギーの反応が強い場合には、水ぶくれ、壊死、潰瘍などが見られるようになります。

3) 検査
原因を明らかにするために、パッチテストが行われます。パッチテストとは、かぶれをおこした 人の、皮疹のない皮膚に、原因と思われる物質を少量そのままで貼ったり、あるいはパッチテスト用の絆創膏につけて48時間密閉した状態で貼ったりするもの です。その後、絆創膏をはがして、皮膚の状態を観察します。さらにはがしてから24時間後、48時間後、120時間後の皮膚の状態を観察し、判定を行いま す。

4) 治療
アレルギー性接触皮膚炎の治療に際しては、その原因の確定と除去がもっとも重要です。原因が 確定できれば、それを含む物質を特定し、それらの製品の使用を中止します。また、それらに変わる製品を見つけることも必要です。次いでアレルギーを引き起 こす物質に対する防御を行いますが、どうしても除去できない場合には、直接接触しないように手袋、衣類による防御を行う必要があります。現在出ている皮膚 症状に対しては主にステロイド外用薬で治療します。
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