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おかあさんが知っておきたい 子どもの病気(外科編)

目次

16.皮膚に見られる孔 瘻孔(ろうこう)

ふつうはない皮膚の孔がおしりや肛門、耳の前方、頸などにみられることがたまにあります。さらにこれらの孔から分泌物がみられたり、時には化膿して膿が出たりすることもあってお母さんたちがびっくりして外来を訪れてこられます。
これらの孔のうち比較的よく見られるものについて説明します。
耳の前方に小さな瘻孔(ろうこう)が開いていることはそれほどまれではありません。しばしば両側にあることもありますし、家族にも同じような孔がみられることもあるようです。これは耳前瘻(じぜんろう)と呼ばれる生まれつきの異常です。
図 皮膚の瘻孔 耳前瘻・嚢胞
孔の周りを押さえると少し悪臭のある分泌物が押し出されてきたり、真っ赤にはれておできのようになって自壊排膿することもあります。分泌物がみられるよ う場合は孔の奥に袋耳前嚢胞(じぜんのうほう)があり、そこに皮脂が溜まり、それに感染することが多いので早めに手術で袋を取り除くのが賢明です。手術は 感染していなければそれほど難しくはなく、創もほとんど目立ちません。
おしりのところ、ちょうど尾骨の付近正中にに皮膚のくぼみがあることがあります。これは仙尾部皮膚洞とよばれます。
図 仙尾部皮膚洞 
ふつうは分泌物もなく、心配するものではありませんが稀にこのくぼみが脊椎に及んでさらに神経管まで通じていることがあります。そういった場合にはこの くぼみの感染が神経管まで及んで髄膜炎を併発する可能性が出てきます。また二分脊椎という脊椎神経に支障を来す病気を伴っていることもありますので、あま り軽くみない方がいい疾患です。深いくぼみの場合にはMRIなどの画像診断で脊椎との関連を調べておくのがいいと思います。
最後に肛門の瘻孔(ろうこう)、痔瘻(じろう)があります。大人の痔瘻は難治性のことが多いのですが、赤ちゃんの痔瘻は再発を繰り返しながらですが、1 歳頃までに自然に治ってしまうことが多いので乳児痔瘻と区別されています。ふつうは3,4ヶ月頃の赤ちゃんの肛門の左右側方におでき(肛門周囲膿瘍)の形 で発症します。
1316-3.gif 
肛門からは1cmも離れていませんし、不思議なことにほとんどの場合男の子に限られています。
膿瘍の場合は切開排膿しますが、その後は瘻孔を形成することが多いようです。圧迫療法や時にそうは掻爬などをしながら再発を数回繰り返すうちにいつの間 にか瘻孔が閉じ、膿も出なくなり治癒します。1歳を過ぎても治らないものは手術になりますが、ほとんどそんなケースはありません。あまり深刻に考えずに気 軽に構えておくのがよいと思います。


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