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おかあさんが知っておきたい 子どもの病気(外科編)

目次

11.お腹が大きい

1311-1.gif乳児から幼児にかけてのこどもは概してお腹が大きい。腹部膨満のはっきりとした定義はないけれど肋骨の高さよりお腹の方が飛び出していれば腹満といって 差し支えない。親は時々はこどもが眠ったときにお腹の上に手をやり、触ってみるべきです。お腹に軽く手のひらを乗せ、呼吸に合わせて動かしているだけでよ い。ふつうはこどものお腹は柔らかく塊など触れることはないが、手のひらに何かがこつこつと当たる感じがすることがあったり、あるいは固い感じがすること がある。これは時には何日も排便していないための宿便塊を触れていることもありますが、時には腹部腫瘍を触れることもあります。おとなでは症状が出る前に こんなに大きくなって腹満で気が付くことはまず考えられませんが、こどもでは全く珍しいことではありません。こどもの腹部腫瘍はそれほど多いものではあり ませんが、こどもの死因の2位は悪性腫瘍であることからも分かるように無視できるほどの頻度でもありません。もちろん良性の腫瘍も悪性の腫瘍もあります。 発生する場所としては副腎や後腹膜交感神経(神経芽腫)や腎臓(ウイルムス腫瘍)、肝臓(肝芽細胞腫)、後腹膜奇形腫、卵巣腫瘍、などは比較的高い頻度で 発生すると言われています。神経芽腫については6ヶ月頃のおしっこを保健所に送り、尿中の腫瘍産生ホルモン(VMA、HVA)を測ることによって早期に発 見できるようになりましたが、それでもすべての神経芽細胞腫を発見できるとは限りません。肝芽細胞腫もAFPという腫瘍産生蛋白があることが知られてお り、大変早期発見や治療に役立っています。このように腫瘍産生物質(腫瘍マーカー)があるものはいいのですが必ずしもすべても腫瘍にそういったマーカーが あるわけではありませんので、やはり触診や外来でもできる超音波検査がとても役に立つわけであります。こんなに大きくなってから発見される小児がんです が、おとなの癌と違って治療成績は大変良好です。病気の程度(病期)が軽ければほとんどの小児がんのこどもは治すことができます。それは小児の腫瘍は抗ガ ン剤にとてもよく反応するし、手術でも完全にとれることがとても多いからです。もちろんがんの手術ですから決して小さな手術ではありませんが、こどもは手 術にもとても強くてよく耐えてくれるものです。

 

表4 腹 部 腫 瘤
悪 性 腫 瘍
神経芽腫
ウイルムス腫瘍
肝芽腫
横紋筋肉腫
奇形腫
副腎、交感神経から発生
腎臓から発生
肝臓から発生
筋肉、膀胱 体幹
卵巣 睾丸 仙骨部など
腹痛、痩せ、四肢痛 発熱
腹痛 血尿 高血圧
腹痛 発熱 貧血 性早熟
腹痛 局所痛 血尿 尿閉
腹痛 局所腫大
良 性 腫 瘍
水腎症
腎嚢胞
肝嚢胞
腸間膜嚢腫
卵巣嚢腫
胆道拡張症
   

 


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