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下血 -特に大腸・肛門疾患を中心にして-

目次

3.大腸癌

大腸癌とは盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸までの結腸癌と直腸癌とに区別されます。
食生活の欧米化に伴い(脂肪の摂取量の増加と食物繊維の摂取量の低下)近年日本人の大腸癌は増加の傾向にあります。
成因としてはポリープが癌化するという説と初めから癌として発生するという説があります。大腸癌の約2/3は直腸およびS状結腸に発生します。直腸に最も多く、S状結腸、上行結腸、下行結腸、盲腸の順に少なく横行結腸で最も少ないといわれます。
大腸痛の症状は右側結腸(盲腸、上行結腸、横行結腸右側)、左側結腸(横行結腸左側、下行結腸、S状結腸)、直腸の三つの部位で少しずつ違います。
大腸癌の初発症状は出血、便通異常、腸閉塞(腹痛)、腹部膨満、貧血、体重減少、腹部腫瘤などです。

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右側結腸の場合

軽い腹痛あるいは不快感がみられ一般に下痢を生じ時に便秘となることもあります。明らかな出血はまれですが、慢性の貧血を呈することが多いようです。シコリを触れるだけで他の症状がないこともあります。

左側結腸の場合

便秘になることが多く時には腸閉塞となり緊急手術の対象になることも少なくありません。出血も多くみられ新鮮血のときもあれば、暗赤色のときもあり、便に混じっていることもあれば表面に付着していることもあります。ほとんどの場合腹痛も伴います。
1)結腸の区分
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直腸癌の場合

排便時の違和感、便の形状の変化、便通の不規則化などの排便障書と出血が必ずみられます。出血は便の回りに付着することが多く粘液が多量に排出されるこ ともあります。便通は便秘に傾くことが多いのですが下痢になることもあり残便感があり何度排便してもスッキリしないといった症状がみられます。腹痛はあま りみられません。

いずれにしても大腸癌の早期発見の為には、年一回の便潜血反応を受けることは必須条件と考えられます。また便通異常、血便をみたら早急に専門医に受診し て下さい。血便をみながら痔疾患と一人合点し手遅れになった方もときどきおられます。電子内視鏡の進歩で大腸の検査も飛躍的に進歩しており検査の苦痛もあ まりありません。是非早めに受診して下さい。
治療)結腸癌の場合は開腹による腸切除が一般的ですが、今後将来的には腹腔鏡的手術も可能となるでしょう。また大腸ファイバースコープによる切除も症例によっては考慮されます。
直腸癌の場合は三つの手術法が考えられます。

1)局所のみを切除する。

癌があまり進行してなくリンパ節転移も可能性が低い場合、あるいは合併痘や高齢の為大きい手術に耐えられない場合にファイバースコープで切除したり手術的に局所切除をおこないます。

2)直腸を吻合する。(低位前方切除術)

肛門から痛までの距離が数センチ以上離れていて直腸を切除した後、結腸と直腸を吻合することが可能な場合。これは以前と比べると吻合する器械の進歩で大変やりやすくなりました。

3)人工肛門(直腸切断術)

肛門から痛までの距離が短すぎて吻合できないため止むを得ずS状結腸や下行結腸を人工肛門として左下腹部に出します。

 


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