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下血 -特に大腸・肛門疾患を中心にして-

目次

1.肛門疾患

内痔核、外痔核、裂肛、痔痺、肛門周囲膿瘍、肛門周囲炎
(1) 内痔核

肛門周囲の静脈が瘡のようになって腫れた状態で痔疾患の60-70%を占めます。排便時真っ赤な出血をみます。時にはシューッと音がする位の出血で貧血になる事もありますが痛みはないのが普通です。
大きくなると排便の度に出てきて押し込まないと入らないような状態になります。このような状態を脱肛といいます。
治療) 軽度の内痔核は便通をよくすればあまり悪化しませんので心配いりません。中等度の内痔核は薬物療法または凍結療法で治療すると出血はおさまります。脱肛になると手術を受けないと根治出来ません。約2週間の入院が必要です。

1)直腸下部、肛門
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(2)外痔核
この場合は出血はみられませんが、時に血マメ(血栓)を形成して激しい痛みと肛門周囲の腫れを生じる事があります。希に血マメが破れて黒っぼい出血がみられることもあります。
治療)血栓は痛み止めの坐薬で治療すれば1週間位で楽になります。痛みが激しい場合は局所麻酔下で切開摘出すると早く楽になります。

2)痔核
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(1) 内痔核:出血
(2) 外痔核:力むと腫れる
(3) 脱肛状態:肛門がめくれる状態になる
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内痔核は時計でいうと3時・7時・11時の3ヶ所が好発部位です。
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(3)裂肛
いわゆる切れ痔ですが、痔疾患のうち10-15%にみられます。肛門が狭い人では硬い便を出 しますと便と仙尾骨に挟まれて肛門の6時の方向がよく切れます。そのために出血と痛みを生じます。出血量はあまり多くなくチリ紙に付く程度のことが多いよ うです。慢性化すると肛門ポリープや見張り疣を形成します。
治療)便秘を直せばよくなりますが難治性の場合は手術的に肛門を拡げてやることもあります。

3)切れ痔(裂肛):痛み、出血
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(4)痔瘻、肛門周囲膿瘍
痔疾患のうち10%前後にみられます。急に肛門の回りが腫れてきて激しい痛みを伴い、発熱もみられます。これが肛門周囲膿瘍の状態です。放置しておくと自然に破れて血の混じった膿がでてきます。
しかしほとんどの場合は痛くて我慢できずに病院にかかります。そこで切開を受けて膿を出してもらいます。それで症状はとれますが傷口が塞がらないで残った状態を痔瘻といいます。
治療)ほとんどの場合入院して手術を必要とします。

4)肛門周囲膿瘍、痔瘻
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(1)…肛門周囲膿瘍:熱、痛み、腫れ
(2)…痔瘻:膿で下着が汚れる
(1)肛門周囲膿瘍 (2)痔瘻
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(5)肛門周囲炎
これも痔疾患のうち10%前後にみられます。肛門周囲の皮膚炎です。汗や優によって刺激を受け炎症を引き起こし、チリチリと痛んだり痒くてたまらないといった症状がみられますが、チリ紙に血液が付くこともあります。ときにはカンジダというカビが原因のこともあります。
治療)排便後は必ずお湯でおしりを洗い乾操させてから治療用の軟膏をつけます。掻き篭るのが一番いけません。汗をかいた時、便汁で汚れた時も同様にしてください。
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