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こころの救急 -不安・興奮・錯乱-

目次

II 不安の激しいとき

1)パニック発作(急性不安発作)

全く突然に、動悸、呼吸困難(過呼吸)、胸痛、しびれ感、めまいといった自律神経の変調によ る身体の症状が出現します。それと同時に、“このまま死んでしまう”、“自分がコントロール出来なくなる“といった強い恐怖感を伴うことが特徴です。最初 は特にストレス状況とは関係なく起こり、睡眠中に起こることもあります。
多くの場合、救急の形で内科、脳神経外科、耳鼻科などを受診し、検査を受けますが、異常は見つかりません。患者さんの約40%は救急車を利用するといわ れ、精神科の「柔らかい救急」で対応するケースの内では最も頻度の高いものです。発作が頻発すると、不安→恐怖→抑うつと精神症状がエスカレートし、ひい てはアルコール依存や自殺にまでいたることも希ではありません。
この疾患は、初期であれば、特定の薬による治療(抗うつ薬と抗不安薬の組み合わせ)と行動パターンのコントロール(行動療法)で軽快します。
パニック発作の概要を図に示しました。このような発作に悩んでおられる方は、出来るだけ早い段階で、専門医(精神科・神経科)の診療を受けられることをお勧めします。
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パニック発作
パニック発作では、図に示した13の症状のうち4項目以上の症状が10分以内に出現します。


2)急性ジストニア・アカシジア

この両者は、多くの場合、薬の副作用として起こります。最も多いのは、精神分裂病、うつ病などの精神障害に対して使用する薬剤によります。まれには、吐き気止めの薬で起こることもあります。
急性ジストニアは、自分の意志に反して体(主に頚部)がねじれる現象です。薬を飲んだ直後から起こり、強い不安感を伴います。抗コリン剤という薬がよく効き、ほとんどの場合注射一本でおさまります。
アカシジアは、着座不能症と訳されています。一カ所にじっとして居れず、立ったり座ったり落ち着かない状態です。体がムズムズして勝手に動いてしまい、 それを自分でコントロールできないため、精神的にもイライラします。これに対しても、抗コリン剤がよく効きます。よく似た症状は、人工透析を受けている患 者さんにも時々みられます。
これらの現象は特に心配要りませんが、患者さんを薬嫌い・医者嫌いにしないために、早く症状をとり不安を取り除いてあげることが必要です。

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