耳鼻咽喉科 中耳炎 Q&A
急性中耳炎で鼓膜を切ろうと言われました。大丈夫なんでしょうか。
急性中耳炎の痛みは鼓膜の奥で膿などがたまって鼓膜が膨らむことでおきます。鼓膜を切って膿を外に出すことで中耳炎の痛みがすっと良くなることも多く、そのようなことが期待できるので鼓膜を切ることを勧められていると思ってください。鼓膜を切るとしばらくの間耳だれが出たりすることもありますが、それが目的ですから慌てないでください。ただし、耳だれが続くと作った穴が閉じなくなることもありますから、鼓膜を切った後は主治医の先生の指示に従ってください。
滲出性(しんしゅつせい)中耳炎ってなんですか。
滲出性中耳炎とは鼓膜の奥に感染のない水(滲出液)がたまる病気です。さまざまな理由で起きますが、お子さんの場合、耳の空気交換のための管がつまってしまい、鼓膜の奥でよどんだ空気がたまることでおきます。高層ビルのエレベーターで耳がツンとした経験はないでしょうか。そんなときにつばを飲み込むとすっとよくなりますが、これは耳の空気交換の管が開いて空気圧を調整したためです。それが慢性的にできなくなった状態になると鼓膜の奥に水がたまります。痛みをともなうことはなく周囲が気づかない場合も多いのですが、聞こえが悪くなるのでことばの発達が遅れる原因になることもあります。そのような場合、鼓膜にチューブを留置して、わざと穴を持続的に開けて、聞こえるようにすることもあります。
滲出性(しんしゅつせい)中耳炎だと言われて、薬を長く飲んでいます。大丈夫なんでしょうか。
滲出性中耳炎は耳の空気交換のための管がつまって発生します。管がつまる理由はさまざまですが、子どもは大人と違って管が太くて短いのが特徴で、鼻水が流れ込みやすく、風邪などによってすぐに腫れてつまってしまうことが原因の一つになります。また子どもは扁桃が活発に活動しているために、大きくなった扁桃が管をつぶしてしまって滲出性中耳炎になっていたりします。つまり子どもの滲出性中耳炎は子どもだからなっているので、のどの構造が大人の構造にならなければ治らないことがほとんどです。子どもののどが大人の構造になるのは個人差もありますが、小学1年生前後ですので、それまでは滲出性中耳炎になる子はなる、と思ってください。