健康情報

エクソシストと産婦人科医

 エクソシストと聞いて、ぴんとくるのは60代以上の世代です。なにせ1973年公開の米国ホラー映画で、一世を風靡(ふうび)しました。何で今エクソシストなのか?主人公の少女(悪魔がついたと描かれた)の状態が、ある脳炎の症状に酷似しているからです。それは、抗NMDA受容体抗体脳炎であり、簡単に言うと、合併した卵巣奇形種の脳組織様のものに対する抗体が、脳に作用して起こる脳炎です。卵巣腫瘍を切除することで症状の軽快が期待できます。つまり、産婦人科医に治療できる唯一の脳炎が、抗NMDA受容体抗体脳炎ということです。エクソシストの主人公も、悪魔払いではなく、産婦人科医が卵巣腫瘍を摘出していれば、神父も死ぬことなく、ハッピーエンドなっていたかもしれません。ただホラー映画ではなく、ホームドラマになってしまいますが。

(広島県医師会・野間純) 2017年09月02日(土)


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