健康情報

外科手術と口腔ケア

 歯周病(歯槽膿漏(のうろう))は歯の病だけでなく、全身の病とも関連しています。
 歯周病菌は、腫れた歯肉から血管内に入り全身に回ります。血管内に入った菌は、いったん免疫力で死滅しますが、死滅した菌から遊離した菌体毒素が炎症を惹起(じゃっき)し、糖尿病、心筋梗塞や脳梗塞、さらに肝臓病などのさまざまな疾患を誘発・悪化させることがあります。
 また口腔内で増加した歯周病菌が、気道内に入り、誤嚥(ごえん)性肺炎を引き起こすこともあります。そのため全身麻酔を受ける患者さん、特に歯周病を持つ高齢者の方は、手術後の肺炎を併発する危険性が高くなるので、手術前に口腔内のケアをすることが重要であると報告されています。実際、手術前の口腔ケアにより、術後の肺炎などの合併症が低下し、さらに消化器がん手術などに関連した感染症の発症も低下することが報告されています。
 定期的ながん検診と同様に、口腔内のケアも重要ですので、定期的に歯科検診を受けることが大切です。

(広島県医師会・田代裕尊) 2017年01月21日(土)


戻る