禁煙コーナー

禁煙に関するコラム

新たな日常はタバコフリーから

日本赤十字広島看護大学 名誉教授
川根 博司

 前々回(第2441号)と前回(第2444号)のこの禁煙コーナーには、タバコと新型コロナウイルス感染症に関連する話題が出ていた。喫煙が新型コロナウイルス感染症の重症化の大きなリスクになることは明らかであり、詳細は両号を参照していただきたい。
 例年、厚生労働省による世界禁煙デー記念イベントが行われていたが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、イベントの開催ではなく、下記の特設Webサイトが公開された。
 世界禁煙デー 「世界のみんなと一緒に禁煙を始めよう」(スマートライフプロジェクト公式サイト内)
 https://www.smartlife.mhlw.go.jp/fctc
 また、全国各地で行われる予定だった禁煙週間(5月31日~6月6日)の行事や啓発活動も中止・縮小を余儀なくされたようである。
 広島県医師会禁煙推進委員会が毎年開催してきた「たばこと健康・広島フォーラム」も、残念ながら今年は見送らざるを得なかった。その代わりというわけではないが、世界禁煙デーに向けた啓発が県医師会ホームページに公開され、「新型コロナウイルス感染症から自分自身や周囲の大切な人を守るため、今こそ禁煙にチャレンジしましょう!」と広島県民へ呼びかけられた。
 http://www.hiroshima.med.or.jp/important/coronavirus2020_kenmin.html
 筆者はRCCラジオ「おひるーな」に5月27日、6月3日の2回出演し、広島県禁煙支援ネットワーク運営委員長として「禁煙のススメ」をテーマに話す機会があった。これはRCCラジオの「健康」をテーマにしたラジオキャンペーン、「広島家族。元気じゃけんいきいきプロジェクト」の一環として放送されたものである。その内容は「おひるーな」ホームページの特設サイト(YouTube)にアップされている。
 https://radio.rcc.jp/ohiru_ikiiki/ohiru_plus/entry-15970.html
 https://radio.rcc.jp/ohiru_ikiiki/
 番組の中でも述べたが、日本は世界の中でタバコ対策が最も遅れた国の1つであり、総合的に最低ランクの評価が下されている。しかし、東京オリンピックは来夏に延期されたものの、4月1日から改正健康増進法が全面施行され、受動喫煙防止対策は一歩前進したといえる。ところが、今回のコロナ禍により、この国はタバコ対策ばかりか情報技術(IT、ICT)に関しても台湾や韓国などアジアの国々に遅れを取っていることが分かった。PCR検査の実施、国民へのマスク配布、特別定額給付金のオンライン申請などのゴタゴタを見ていると、情けないことにIT大国どころか、発展途上国というしかない。
 5月初め、政府は新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」なるものを公表した。この新しい生活様式では「身体的距離の確保、マスク着用、手洗いの励行」が推奨される一方で、タバコ問題については全く触れていない。ウィズ・コロナ、ポスト・コロナ時代におけるより安全な生活のためには、喫煙者はタバコをやめるべきだし、非喫煙者もタバコの煙を避ける必要がある。スモークフリー、タバコフリーが新たな日常になることが望まれる。
 最後に示す写真は、ステイホームのお遊び・息抜きにペスト医師の格好をしたものである。仮面マスクのくちばしには薬草(ローズマリー、ミント)が詰めてあり、長く着用すると息抜きというよりも息切れが!? このような形のマスクは17世紀のフランスの医師が考案したそうだが、新型コロナウイルスに対してアベノマスクより有用かもしれない。

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ペスト医師のマスク

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