禁煙コーナー

禁煙に関するコラム

新型タバコの害についての講演会を聞きました

医療法人社団 白河産婦人科
奥村 みどり

 このたび、福山市医師会での禁煙担当理事となりました、よろしくお願いいたします。私はもともと嫌煙派でタバコの臭いも大嫌いです。産婦人科なので、妊婦さんやその家族には禁煙指導をしますが強くは言えず、またマンションのベランダで隣人(どうやら外国人)が一服始めるとこっそりドアと窓を閉める...のように、実は気が弱くあまり強く言えない人間です。禁煙を担当するならば、少しは世間に禁煙についての発信ができるように頑張らなくては、と思っています。
 さて、担当になって間もなくの2020年2月2日(日)に福山市医師会主催の禁煙支援講演会の市民公開講座が開催され、大阪国際がんセンターがん対策センターの田淵貴大先生をお招きして「新型タバコの本当のリスク」という講演を聞かせていただきました。市民にも分かりやすい題材をたくさんお示しいただいてタバコのリスクについてのお話をして下さいました。印象深かったのは、日本人の死因に関連する危険因子のうち、予防可能な因子の約15%が喫煙で最も多く、次は約12%で高血圧だそうです(他は運動不足、食塩摂取、ヘリコバクターピロリ、肝炎ウイルスやパピローマウイルス感染などの因子が挙げられていました)。そうなると国の施策として高血圧対策と、喫煙対策が求められるようになり、タバコに関しては、値上げ、家庭や職場環境での禁煙空間の確保(禁煙化の推進)、マスコミやメディアによる禁煙の啓発が勧められるようになってきました。すると今度は新型タバコとして従来の紙巻タバコよりも有害物質を90%低減したとうたったものが発売されるようになりました。「害のないタバコ」のようなイメージで売り出しているけど本当はかなり有害で、実際のところは低減されたと表示されている以外の有害物質については相当量含有されており、特に紙巻タバコにはないグリセロールという物質が多いそうです。グリセロールに暴露された経験は人類史上今まで無いことなので、今後の健康への悪影響は未知数です。考えただけで恐ろしいです。また新型タバコはニコチン含有量が低いので、結局ニコチン依存症の喫煙者は紙巻タバコよりも大量の新型タバコを吸わないと満足できないことになり、結局有害物質の摂取量は多くなってしまうそうです。そのような結果を踏まえて、紙巻タバコと新型タバコはほぼ同等の健康被害を喫煙者にもたらしており、当然、受動喫煙のリスクも同等であるということでした。目からウロコでした!飲み会の席で同席者が新型タバコを吸い始め、普通のタバコより臭くないし、煙は少ないし、新型タバコに変更できて良かったねと褒めていた自分を心から恥じたのでした...。
 その後、現在世間を恐れさせている新型コロナウイルスが流行し始めました。田淵先生のSNSでもタバコによって新型コロナウイルス感染による肺炎が重篤化しやすくなるのが、中国の傾向を見ても明らかだと書かれておりました。ますます、禁煙を推進していく必要を痛感いたしております。
 昨日、隣人がまたベランダでタバコを吸っていたので「Don't smoke」と...言う勇気は、やはりまだ無くて、とりあえずピシャッと、わざと大きな音を立ててドアを閉めてみました。少しずつ頑張ります。

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