禁煙コーナー

禁煙に関するコラム

新型タバコの本当のリスク アイコス、グロー、プルーム・テックの科学を読んで

広島県医師会 禁煙推進委員会
坪井 和彦

 本日、2019年4月1日、新元号「令和」が発表されました。新しい時代を迎え、これからは新型タバコの健康リスクに対し真剣に向き合うべきと痛感し、「本当のリスク」をお伝えしたいと思います。
 まず新型タバコは、紙巻きタバコに比べてタールが削減されてあるだけで、依存性物質であるニコチンやその他多くの有害物質を吸引する製品です。従って、使用者だけでなく、受動喫煙させられる人にとっても、絶対に推奨できません。
 昨年6月に開催された「第19回たばこと健康・広島フォーラム」でご講演をいただいた、大阪国際がんセンターの田淵貴大先生の著書が非常に分かりやすく解説されているのでご紹介いたします。
 アマゾンサイトによると、2016年4月に全国販売された「加熱式タバコ」いわゆる新型タバコは、瞬く間に日本全国に普及。わずか2年後の2018年には、日本の成人の約10%が使用するほどの過熱ぶりをみせている。「有害物質約90%低減」など、健康リスク低減をイメージさせるキャッチコピーと積極的なプロモーション戦略により、急速に社会に浸透してきた加熱式タバコだが、その健康リスクは本当に"少ない"のだろうか?本書では、タバコ問題研究の第一人者が、最新の研究成果と豊富なエビデンスをもとに、「新型タバコ」のあらゆる"疑問"に答えていく。加熱式タバコへ切り替えようとしている人、加熱式タバコの受動喫煙リスクが気になる人はもちろん、患者や健診受診者から寄せられる「加熱式タバコに替えた方がいいですか?」という質問に科学的に答えたいと願う医療従事者のニーズにも応えた決定版。と内容紹介されています。
 田淵貴大先生は、全国規模のインターネット住民調査より、『紙巻タバコに比べて新型タバコの健康リスクが少ない』『有害物質が90%減ると、病気になるリスクも90%減る』と誤解している方が多い結果をみて、科学的データに基づき新型タバコのリスクを伝えたいと思い、執筆されました。その中で、これまでのタバコ問題に関する知見から、アイコスやグローなど加熱式タバコには、従来の紙巻タバコとほとんど変わらない健康リスクがあると予測しています。また、紙巻タバコから加熱式タバコにスイッチしても、本人が病気になるリスクはほとんど変わらないとお考えで、これまでに発表された膨大なタバコ問題に関する研究のエビデンスから、有害物質が10分の1に減ったとしても心筋梗塞のリスクは半分にもならない可能性があるといわれています。また、紙巻きタバコから新型タバコにスイッチした人の多くは、自分や家族など周りの人への健康に配慮をしていると調査結果があり、まずは『紙巻タバコをやめられてよかったですね』と伝えお互いの信頼関係を作ったのち、新型タバコからも多くの有害物質が出ているので、必ず屋内で吸わない配慮を求めつつ、新型タバコの重大な健康被害を伝え、完全にやめさせる方法をアドバイスしていただきました。最近の傾向に、新型タバコなら使おうと思っている人が多いことに懸念があり、医師だけでなく、歯科医師、薬剤師、保健師など医療関係者や、小中高の学校や大学の先生など教育に関わる方へまずは「新型タバコ」の正しい知識を共有していくことから始めるべきと感じました。
 最後に、タバコ対策の推進のためにと考えている端くれとして、少しでも多くの方と新型タバコ問題を通じてつながっていきたいと思っております。

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