禁煙コーナー

禁煙に関するコラム

ママフレンドの会で受動喫煙の話をしました

JA廣島総合病院
渡 正伸

 先日、廿日市のママフレンドの勉強会で受動喫煙の害について話す機会がありました。ママフレンドとは妊婦や子育てをしているママを支援するボランティアの方々のことです。ちなみにママフレンドで検索すると"ママフレンド"と言う自転車のことばかり出てくるのでママフレンドという言葉は廿日市のローカルなものであると思われます。列席された皆さんは子育てが終わったベテランのママの方々です。今日、妊婦や乳幼児をもつお母さんの喫煙はゼロではなく、ご主人の喫煙に困っているお母さんも少なからずで、ママフレンドの活動の中で禁煙を勧める場面があるとのことです。会では以下のような質問がありました。

Q1 受動喫煙の有害性について、特に乳幼児でどうか?

Q2 電子タバコ(や加熱式タバコ)の影響は?

Q3 受動喫煙はどの程度で影響が出るのか?

Q4 三次喫煙(サードハンドスモーク)が乳幼児に与える影響は?

回答として、

A1 まず喘息など呼吸器系の疾患、SIDS(乳幼児突然死症候群)などが多くなる。

A2 電子タバコは液体の媒体を蒸散して吸入するものでニコチンが入っているものと入っていないものがあり、ニコチン入りはタバコとして扱われること、アイコス、グローなど現在流通しているものは加熱式タバコと言い、タバコ葉を燃えない程度に加熱してその成分を吸入するもので、電子タバコと区別されます。ニコチンを含んでいるためニコチン依存症は治りません。発がん物質も少なからずあります。タバコ同様に受動喫煙が問題であり、吐き出された成分がタバコ煙と違って見えないこと、臭わないことは逆に問題と言えそうです。

A3 受動喫煙に起因する疾患を「受動喫煙症」と言います。吸い込む煙が少なければ害も少なければ良いのですが、タバコ煙の成分に対する過敏症の人では少しでも症状が出ます。煙が怖くて外出が出来ない患者もいるそうです。また毒でも害が出ない程度の少量なら体に入れても良いと思いますか?ヒ素や水銀も微量だったら飲み込みますか?と言うことです。

A4 三次喫煙の影響も上記に準ずることは理解できると思います。

11月10日、11日に、高松市で開催された日本禁煙学会に参加しました。禁煙推進では先鋒的な存在であった我々、広島県医師会禁煙推進委員会は常に社会に働きかけて、タクシー、レストラン、平和公園などの禁煙化を要望してきました。しかしながら、今や広島県より先進的な地域が多くなっている印象を持ちました。例えば当委員会からの発表に、「広島大学が敷地内禁煙になっていないのは遅い!」とおしかりのご意見をいただく場面もありました※。今まで以上に活発な活動が求められていると感じました。ただ、広島県の中でも今春、福山市が制定した「子どもや妊婦を受動喫煙から守る条例」は、胎児や乳幼児、子ども達が、次世代を担う宝でありながら、自らは受動喫煙を回避できない弱者であり、この条例は社会が果たすべき画期的かつ当然の法律と思います。速やかに広島県、広島市レベルで同様の条例を制定すべきです。
 さらに私が必要と思っている禁煙推進の課題を、以下に挙げてみます。

①医学生や研修医に禁煙指導のスキルを習得する医学教育の推進。

②入院前に喫煙者に対して禁煙外来治療を開始するような入院前パスの普及。

③禁煙外来を持つ病院の増加。

④改正健康増進法では2020年までに医療施設や大学などの教育機関は敷地内禁煙が義務づけられたため、達成できるように支援する。

⑤タバコに替わって普及してきた加熱式タバコなどの有害性を周知啓蒙していくこと。など多くの課題があると考えています。

新型タバコに見られるように、タバコ産業は新たな戦略で攻めてきます。残念ながら、日本のタバコ産業の大株主は財務省でありニコチン依存症患者を減らすという禁煙推進活動の大きな妨げで、なかなか前進しません。しかしながら喫煙率は着実に低下傾向です。これが下げ止まらないように、ゼロに収束していくように努力していきたいと思っています。

※広島大学は2020年1月から全面禁煙となる予定。医学部の設置されている霞キャンパスはすでに全面禁煙。

戻る