禁煙コーナー

禁煙に関するコラム

総務省行政評価局

広島県医師会 常任理事 津谷 隆史

昨年末、広島県医師会としての受動喫煙対策に関する意見を求めて、総務省中国四国管区行政評価局担当官の訪問があった。内容は中国地方のある国立大学の学生からの苦情相談であった。

最近しばしばマスコミの話題となっている、野田聖子大臣がトップの総務省の中に、国民からの苦情相談窓口があったことを初めて知った。総務省のホームページによると行政相談窓口業務とは、国や特殊法人・独立行政法人の業務のほか、都道府県・市町村の業務のうち、国からの法定受託事務(国が直接実施すべきであるが、国民の利便性等の観点から、法令により地方公共団体が実施することとされている事務)に該当するもの、補助に係るもの等を対象として、国民の皆様からの苦情や意見、要望を受け付け、公正・中立の立場から必要なあっせんを行い、その解決や実現の促進を図るとともに、国民の声を行政の制度及び運営の改善に反映させるものと記載されている。簡単に言えば、役所の仕事についての苦情や意見・要望などを聴き、関係機関に働きかけて解決を促す窓口とのことだ。

さて、今回の案件は、国立大学1年生からの苦情相談で、「大学内の指定喫煙場所から流出している煙で不快な思いをすることがある。加えて、受動喫煙による健康被害も心配である。大学は、私のような未成年者を含む学生や教職員はもとより多くの人が集まる公共性の高い教育機関であり、安全・安心で快適な場所であるべきだと思うので、大学における受動喫煙防止対策をより一層推進してほしい」という内容であった。この相談内容に関して、広島県医師会としての意見を伺いたいとのことであった。

今まで行政に、受動喫煙問題でさまざまな提案、意見を言ってきたが、国側から受動喫煙対策を徹底させるための助言を求めてきたことに驚いた。私たちは広島県医師会禁煙推進委員会の取り組みを説明し、広島県医師会の受動喫煙ゼロ宣言に大学の敷地内禁煙があることから広島県医師会からも広島県内の大学の敷地内禁煙に向けた取り組みを進め、大学敷地内禁煙の状況を調査することを約束した。

それから3ヵ月後、中国四国管区行政評価局より調査報告書が届いた。中国5県の国立大学の喫煙対策の調査では、全面禁煙となっている大学は、鳥取大学、岡山大学、島根大学の医学部・附属病院、山口大学の医学部・附属病院であった。広島大学のみが医学部・附属病院を含めて、いまだに分煙との報告であった。この調査結果を踏まえた行政苦情救済推進会議からの意見により、当局から、島根大学、広島大学および山口大学に対して、受動喫煙防止対策の徹底を検討するようにあっせんが行われた。

そのあっせん内容を以下に示す。




島根大学、広島大学及び山口大学は、受動喫煙の防止及び受動喫煙による健康被害を防止する観点から、全ての喫煙所について点検し、次の措置を講ずる必要がある。

(1) 屋外喫煙所において、喫煙所と非喫煙者が立ち入るエリアとの間に十分な距離が確保されていない喫煙所については、学生や教職員などに受動喫煙が生じないよう、喫煙所の廃止、移設を図るなど、受動喫煙防止対策を徹底すること。

(2) 屋内喫煙所において、非喫煙場所から喫煙場所に空気の流れを作るための給気口の有無など、喫煙所の構造等について確認し、必要に応じて改善すること(屋内喫煙所を設置している広島大学のみ)。

(3) 喫煙中及び喫煙後において、喫煙所のドアや窓が開いたままで、たばこの煙が流出することがないよう、喫煙所の使用者に対して注意喚起を徹底すること。

(4) 受動喫煙防止対策として極めて有効であると考えられている全面禁煙の実施も含め、受動喫煙防止対策を検討すること。




このあっせんを受けてか、ついに広島大学霞地区が4月1日より敷地内全面禁煙になったことは嬉しいことだ。今回の総務省中国四国管区行政評価局の調査からあっせんまで、非常に速やかにまた、適切な結果を出していただいたことに感謝をしたい。ついでに私立大学の調査もお願いしたが、管轄が異なるとのことで断られた。広島県医師会禁煙推進委員会の今年度の事業には、大学キャンパス受動喫煙調査を予定している。行政評価局に負けないような調査報告ができるよう今年度も活動していく予定である。

最後に、行政に対する苦情を真剣に対応していただけるこの苦情相談窓口は、http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/soudan_n/soudan_uketuke.html

お気軽にご相談ください!とのことだった。


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