禁煙コーナー

禁煙に関するコラム

たばこ対策

広島県医師会禁煙推進委員会委員長 田中 純子

 広島大学病院では、屋外・屋内ともに、全面禁煙としておりました。そして、2018年4月1日から広島大学霞地区、すなわち、大学病院、医学部、歯学部、薬学部、保健学、原爆放射線医科学研究所などを含む霞敷地内において、全面禁煙となり、喫煙所が廃止となります。これは、学長から「国立大学における受動喫煙防止対策の徹底」についての検討要請を受け、最終的に協議の結果決まったものです。ようやく、全学での動きへの一つのステップとなるのではと考えています。
 さて、SDGs(Sustainable Development Goals)という言葉を聞かれたことがあるでしょうか。「持続可能な開発目標」と訳されています。これは、人類と多くの生命を抱えた地球が持続可能な存在となるよう、17の目標と2030年までに達成すべき169のターゲットを行動計画として2015年9月の国連「持続可能な開発サミット」において採択されたものです。
 このSDGsは、遡ること2000年に国連で採択された8つの目標「ミレニアム開発目標(MDGs)」を発展させたものです。次のステップのSDGs17の目標のうち、保健医療に関連する項目は、3番目の目標、「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」に含まれています。この中には、「2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり70人未満に削減する」「2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する」など、日本では達成間近のターゲットがある一方、現在取り組んでいる課題、「すべての国々において、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を適宜強化する」も含まれています。
 「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(WHO Framework Convention on Tobacco Control:FCTC)」は、2017年末時点で181ヵ国が締約している条約ですが、日本は2005年から効力が発生しています。その内容は、次の6項目です。

(ア) 職場等の公共の場所におけるたばこの煙にさらされることからの保護を定める効果的な措置をとる(受動喫煙の防止)。

(イ) たばこ製品の包装及びラベルについて、消費者に誤解を与えるおそれのある形容的表示等を用いることによりたばこ製品の販売を促進しないことを確保し、主要な表示面の30%以上を健康警告表示に充てる。

(ウ) たばこの広告、販売促進及び後援(スポンサーシップ)を禁止し又は制限する。

(エ) たばこ製品の不法な取引をなくするため、包装に最終仕向地を示す効果的な表示をさせる等の措置をとる。

(オ) 未成年者に対するたばこの販売を禁止するため効果的な措置をとる。

(カ) 条約の実施状況の検討及び条約の効果的な実施の促進に必要な決定等を行う締約国会議を設置する。締約国は、条約の実施について定期的な報告を締約国会議に提出する。

日本では、東京オリンピックを控えようやく受動喫煙対策が加速されてきているようですが、世界のタバコ対策の状況はさらに進んでいます。

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