禁煙コーナー

禁煙に関するコラム

東京都包括受動喫煙防止法案の制定を速やかに実現すること(その25)(最終章6の2(むすびと提言))

広島市立安佐市民病院
名誉院長 岩森 茂

 引き続いて提言を続けよう。
⑤ 先に述べるべきであったが、東京都庁の下部組織23区をまず紹介したが、これには他意はない。しかし、大東京都庁の紹介はあまりにも筆が進まない。それはスモークフリーキャラバンの会事務局長関口正俊氏らの東京都庁を訪問した時の話からである(2012年3月)。当時の知事はたばこを片時も手から離さない程の好煙家猪瀬直樹氏で、庁内に喫煙室は設置されてはいたものの、扉は開放され、庁舎内は煙臭が充満していた。さらに議長室には灰皿が置かれ、議員控室もたばこはフリーパス、訪問団もあまりにも醜さに唖然としたとのこと、その中2014年7月14日、学会の禁煙推進学術ネットワーク藤原義久会長が都に対し、無煙環境でのオリンピック開催の要望を行ったが、残念ながら舛添新都知事が就任、新都知事は東京都受動喫煙防止対策検討会を発足させた。「これはものになるぞ」と私達スモークフリーオリンピックを願う者の夢にまで見たチャンスであったが、検討を重ねたにもかかわらず、2015年6月の答申は「条例化先送り」となってしまった。多くの期待が寄せられたものの、座長は計6回の委員会開催の結果、2年間延長で終わったとのこと、このメンバーには医師2名が加わっていたと聞いたが、残念至極の結果である。
⑥ 2010年厚生労働省が発表した「職場における受動喫煙防止対策に関する検討会報告書」によると、多数の者が利用する公共的空間は原則として全面禁煙であるべきと、少なくとも官公庁、医療機関は全面禁煙とするとし、引き続いて閣議では成長戦略として2020年6月より2026年までには受動喫煙のない職場の実現を公約した。政治の交替もあったが、2012年閣議の決定もあって、致し方ない時は喫煙室も認めるとした。しかし、2014年読売新聞が霞ヶ関の中央合同庁舎を調査したところ、意外や受動喫煙防止策はいずこにもみることができなかった。これは図示されているが、そのまま引用するには余りにもみじめなので、ここに省庁別に列記することにした。すなわち旗振り役の厚生労働省は建物内全面禁煙であるが、完全に区切られていない喫煙所があり、これと同じタイプが経済産業省で、人事院は内外に不完全な喫煙所を残しており、その他の農林水産、外務、法務、財務、総務、国土交通、文部科学、防衛各省は建物内に喫煙室を残していた。
 なんとみじめなことか!!国民の模範となるべき中央省庁がこのありさまでは、決して厳格な司令が可能であるとは思えない。東京都の管轄ではないかもしれないが、オリンピックでの来客が多いと思われ、JTの自由に出入りする職場があるが、禁煙の職場を作るにはロシアのプーチン大統領のような強力な指揮権をもった人が指名されるべきと考える。
⑦ 次は船舶である。東京湾は美しい。また、外装の美しい観光船も往来するはずである。ところが、船員の喫煙風景が目立つという苦情が多い。これも勤務規則、火災防止上の規則が存在するはずである。再度法規を厳しく教えてほしいものである。
⑧ その他全面禁煙を守ってもらいたいところは、レストラン、バー、居酒屋、ナイトクラブ、カラオケ店、ショッピングセンターである。居酒屋のように酒が売り物の商売で、スモークフリーとは今までの常識を覆すかもしれないが、すべての研究で収入には変化がないことが解明されている。

結語

 おもてなしの国の玄関口東京都、私達はスモークフリーが徹底して初めて健康で魅惑的なおしゃれの街といえると思っております。おもてなしの原点は美しくきれいな空気すなわちスモークフリーの環境から始まります。海外からのお客様の一人でも受動喫煙害、3次喫煙害にかかられたら、それは日本人のすべてが共同責任を負うという気持ちをもつことが大切です。われわれはIOCが指示しているごとく、スモークフリーの環境で訪れる選手諸氏にスポーツをしてもらう責任を共有しておくべきです。その上で、日本のアート、ファッション、クラシックの分野など心ゆくまで楽しんでもらいたいのです。最後に強く言っておきますが、分煙はない!!地域、行政が一体となって、スモークフリーに努め、お互いに監視し合いながら、この環境で多くの外国人をオリンピックに迎えましょう。これが日本人的な思いやりの原点と思っております。最後にお詫びしておきたいことは東京都周辺の小都市に関するニュースを入手することができず、この点大いに悔んでおります。小池都知事には就任早々難しい業務が相次いでおりますが、緑のクールさを引っさげて、スモークフリーの環境を作るべく頑張ってくださることを願って、私の論文は終わりとします。

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