禁煙コーナー

禁煙に関するコラム

第4回(2012年)日本医師会員喫煙意識調査報告について

本通トータルヘルス内科クリニック
平賀 裕之

 1999年にWHO(世界保健機関)が医師は喫煙すべきでないと提唱して以来、日本医師会は2003年の「禁煙日医宣言」などさまざまな禁煙推進活動を行ってきた。その一環として、4年に一度「日本医師会員喫煙意識調査」が行われ、その第4回となる結果が先月報告された。今回の調査では、2011年12月時点の日医会員から、男性6,000名、女性1,500名の計7,500名を無作為抽出し、5,854名の有効回答(反応率80.4%)を得たとのことで、大規模でありかつ反応率も高い信頼性の高い調査といえる。
 その結果、喫煙率は男性12.5%(2008年15.0%、2004年21.5%、2000年27.1%)、女性2.9%(2008年4.6%、2004年5.4%、2000年6.8%)であり、調査開始時に比べて男女ともに有意に低下していた。また、喫煙率の減少は男性ではほぼすべての年齢階級で認められた。
 診療科別喫煙率については、科によってばらつきが認められている(内科11.6%、呼吸器科6.7%、循環器科9.0%、消化器科13.5%、外科12.4%、整形外科17.0%、小児科10.8%、産婦人科11.4%、精神科17.7%、皮膚科7.8%、泌尿器科17.9%、眼科10.9%、耳鼻科11.8%、すべて2012年男性喫煙率)。呼吸器科や循環器科で喫煙率が低いのは、それぞれの専門医の認定要件に「非喫煙者であること」と定められていることが影響しているのかもしれない。一方、すべての診療科で喫煙率は2000年に比べ半減、あるいは3分の1にまで低下してきており、あらゆる診療科の医師が、自分自身の禁煙に積極的に取り組んできたかが分かる(2000年喫煙率→2012年喫煙率:内科24.2%→11.6%、呼吸器科18.9%→6.7%、循環器科20.0%→9.0%、消化器科27.1%→13.5%、外科32.5%→12.4%、整形外科26.9%→17.0%、小児科24.2%→10.8%、産婦人科26.2%→11.4%、精神科32.7%→17.7%、皮膚科22.7%→7.8%、泌尿器科38.7%→17.9%、眼科27.3%→10.9%、耳鼻科33.3%→11.8%)。
 ただ海外に目を向けてみると、医師の喫煙率が米国3%、ニュージーランド5%など、さらに低い国もあり、今後もさらなる禁煙推進活動を行っていく必要があると考えられる。

 なお、広島県医師会禁煙推進委員会ではさらに古く1984年から隔年で医師の喫煙率調査を行っている。詳しくは松村誠先生のご執筆された「広島県医師会禁煙推進委員会30年間の活動報告」をご参照いただきたい。(日本禁煙学会雑誌、6(5):85-89, 2011.)
http://www.nosmoke55.jp/gakkaisi/201112a/gakkaishi_111219_85.pdf

戻る