禁煙コーナー

禁煙に関するコラム

医師会禁煙担当理事になって、初めて禁煙学会に参加しました

広島県医師会
常任理事 渡邊 弘司

 4月1日より、県医師会の理事となりました。担当の項目の中に、「禁煙」がありました。これまで、小児科医であり非喫煙者の私にとって、「禁煙」は、遠い存在でした。若年者心疾患生活習慣病対策協議会で、生活習慣病予防委員会に所属していますが、高血圧や脂質異常症、減塩などを中心とした活動をしてきましたし、小児科教室に同期入局した静岡市保健所長の加治正行先生(前静岡こども病院小児科医長)が、第2回日本小児禁煙学会を主催するからと連絡をくれましたが、参加しませんでした。このたび、「禁煙」が主担当となり、前担当の松村先生から、「日本禁煙学会があるよ」と教えていただき、禁煙活動に関して何も知らなく何もしていないものが、禁煙活動のお世話をするわけにはいかないだろうと思い、出張先の博多の夜をあきらめて、最終便に乗り、東京経由で仙台に行きました。
 初めて出席した日本禁煙学会は、このたびが第6回でした。なんだか人が少ない感じと思いましたら、本会は、土曜日・日曜日の開催で、会長講演や特別講演など、主な演題は、前日だったようです。参加されている方は、医師だけではなく、歯科医師や看護師、大学関係の方がおられました。ポスター会場の真ん中に、大きな肺型のモニュメントがあり、煙草の肺に対する影響の強さをアピールしていました。出席したシンポジウムは、「公共の場の敷地内全面禁煙を進めましょう」というもので、産業医科大学や順天堂大学、東北大学が大学だけでなく町内会と連携し、周辺地区を含めた禁煙活動を行っていることが報告されました。このたびの診療報酬改定で、子どもや生活習慣病患者が通う保険医療機関の原則「屋内全面禁煙化」が示されたため、診療報酬対策として3月末に院内禁煙の表示をした当院とは、禁煙に対する根本的な考え方が違います。数年前、呉市の小中学校の敷地内禁煙に関して、教育委員会に問い合わせたことがあります。当時は、「敷地内禁煙を指導しているがまだ全部の学校が実践していない」と回答されました(一昨年に、やっと全校が原則敷地内禁煙となりましたと返事がありました)。しかし、東北大学の黒沢先生が「学生数2万人を超える大学で、原則敷地内禁煙と主張していても、実際は喫煙場所が設定してあり、"本当に敷地内全面禁煙"をしている大学はない」と述べておられました。これまで無関心でしたが、今の小中学校の敷地内は、"本当に敷地内全面禁煙"であるのか、確認してみたいと思います。
 無関心ということについて、市民公開講座をされた林 望先生は、一般に禁煙活動を熱心にしている方は、喫煙後に禁煙された方が多く、初めから喫煙していないものは、禁煙に無関心なものが多いと述べておられました。その中の一人が私だったような気がします。
 これまで、日本医師会学校医研修会や日本小児科医会セミナーで何度も禁煙活動の重要性に関して、講習を受けてきたはずではありましたが、なんとなく小児科医である自分の医療や学校医・園医の業務とは無関係と思っていました。近年注目されている食育は、小児期からの食事に対する意識と姿勢を重視し、将来の健康と健全な人間形成を考慮した活動です。そういう意味では、小児期からの禁煙活動は、将来の喫煙者を防ぎ、たばこの害を防ぐ有効な対策と思われます。肥満予防対策でも、中学生高校生の肥満検診の効果は少なく、幼小児期の予防が重要といわれています。これまで、禁煙活動をされてこられた方々に担当理事としてだけでなく小児科医師として加わり、実りある禁煙活動をしていきたいと思います。

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