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野村祐輔投手カープ入団に思う

徳永呼吸睡眠クリニック
内科・呼吸器科 徳永 豊

 今年のカープには、とても明るい話題がある。野村祐輔投手のドラフト一位入団である。彼は、広陵高校卒業後、明治大学に入学し、東京六大学リーグでエースとして活躍し、数々の記録を残した。4年生の時、明治神宮野球大会の優勝投手となった。
 広島県人の野村投手の思い出といえば、2007年8月22日水曜日、第89回全国高校野球選手権の決勝戦である。広陵高校は、40年ぶりの決勝進出とのこと。休診日でもあり、一生に一度の機会と思い、甲子園に行くことにした。
 バックネット裏のよく見える席に運良く座れた。県立佐賀北高校の守備練習では内野手がノックをぽろぽろ前にこぼすのを見て驚いた。意図的にやっていたとしたら?広陵は油断したら、やられるのではと不安に思った。一方、広陵の守備練習は、ノックも上手で、よく鍛えられている、すばらしかった。広陵優勝を信じた私は、球審にポイントを絞って観戦することにした。とてもとても暑い日だった。決勝戦の球審は、大ベテランの関西学生野球連盟委員長、桂等さんである。球審の表情を双眼鏡で観察した。球審は、顔面と胸部に防具をつけ、投手が構え、投げるたびに、スクワットの姿勢をとる。鬼の形相である。とても真剣である。炎天下の中、水分もあまりとらず、休息もとらない。集中力はいつまで続くのか?熱中症にならないのかと思った。広陵は、2回表に2点をとった。その後は、毎回攻め続けるも、佐賀北の堅守にあい、得点できない。7回表にやっと野村投手の2塁打で2点が入る。4対0である。広陵の野村投手は、構えたらすぐ投げる省エネ投法である。初回の立ち上がり以外は、7回裏まで被安打1のパーフェクトピッチングであった。8回裏に入り、1アウトから佐賀北にヒットが出る。野村投手は、疲れが出たのか、投げにくそうになり、間合いがとても長くなった。きわどい球がボールとなった。ついには押し出し。本塁ベースは砂ぼこりで白さを失っていた。「中井監督さん、タイムをとり、熱闘(熱湯)甲子園に水を差すべきです。本塁ベースを掃いて白くするように球審にお願いして下さい」と心の中で念じた。次の打者は巡り合わせが悪く3番副島浩司君。今大会ですでに2本の本塁打を打っている。この日は、2三振しているものの、唯一スイングがぶれていない打者だ。嫌な予感がした直後に、スライダーを振り抜いた打球は、左中間スタンドに放物線を描いて、吸い込まれて行った。見事な逆転満塁本塁打。4対5の逆転である。しかし、1点差である。9回表の広陵の攻撃、先頭打者がクリーンヒット。次打者は、一塁前にきれいにバントをきめる。タッチプレーにいった佐賀北の一塁手と打者が交錯し、一瞬、ボールをそらしたかのように見えた。広陵の一塁ランナーは、二塁を回り、三塁を目指す。「だめだ。彼らは想定練習をしている!」と思った。振り返った佐賀北一塁手の顔がにやりとしたように見えた。三塁に落ち着いて送球。間一髪でタッチアウト。あっという間に9回表2アウトランナーなし。バッターは、前打席で2塁打を打った野村投手。スライダーを三振してゲームセット。何という試合なのだろうか。救いは、試合終了後の広陵ナインの毅然とした態度である。とてもすがすがしく感じられた。佐賀北は、8月8日の開幕第一試合から8月22日までの最終試合まで、引き分け再試合を含め、大会史上最多の73イニングを戦い抜いた。精神力、体力、百﨑監督の教育指導および管理能力は、見事である。
 さて、野村投手が成長して広島に帰ってきた。彼のカープ入団前の言葉に感動した。「人間としての成長が、技術の成長、野球の成長につながると信じています。野球には人の性格が出ます。だから普段からきちんとした生活を送っていなければ、大事なところでそれが出る。勝っても負けても生活のリズム、ルーティーンは変えない。自分にできることをしっかりと積み上げていく。その力を大学の恵まれた環境の中で培うことができました」(http://number.bunshun.jp/articles/-/176891
 彼の言葉は、そのまま禁煙指導につながると考えられる。生活習慣の改善には、毎日の生活のリズム、ルーティーンを確立させることが必要である。禁煙希望者をよく観察し、適切な禁煙指導につなげていきたいものである。

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